2019年、SNSにアップしたメイク姿の自撮り写真が「可愛すぎる男子高校生」と国内外で大きな注目を集めた、ぎんしゃむさん(20)。2022年現在は、SNS総フォロワー数70万人超の人気インフルエンサーとして活躍し、ジェンダーレスアイドルユニット「MM(メイメイ)」のメンバーとしても活動している。

 そんなぎんしゃむさんに、MMの結成秘話や、“ジェンダーレスアイドル”として活動する理由、昨今のLGBTQにまつわる社会変化への考えを聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く

ジェンダーレスアイドル・ぎんしゃむさん ©杉山秀樹/文藝春秋

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小さい頃から「自分は特別な存在だ」と感じ、アイドルになりたかった

――2020年、グループでのYouTube活動終了後、18歳のときにアイドルユニット「MM」を結成されました。もともとアイドル志望だったのでしょうか。

ぎんしゃむさん(以下、ぎんしゃむ) 小さい頃からアイドルに憧れていて、なりたいと思っていました。昔から自己肯定感が高くて、「自分は特別な存在だ」と感じていたんです。「いつか自分も注目される人間になれるはず」という根拠のない自信も持っていましたね。

――メンバーのぷうたんさんとは、どこで知り合ったんですか?

ぎんしゃむ 中学生のときにSNSを通じて知り合いました。でもその頃はなんとなく馬が合わなくて、疎遠になってしまって。自分もぷうたんも、今より性格が尖っていたからかな(笑)。

ぎんしゃむさん(左)とぷうたんさん (写真=ぎんしゃむさん提供)

 高校生になってから再会したら、印象が変わっていて……。2人は同学年で、お互い歳を重ねたことで角がとれて丸くなっていた。2人ともアイドルになりたいという夢が同じなので、そこで意気投合しましたね。ぷうたんは高校を卒業したら就職を考えていたんですけど、「一緒にアイドルになろう!」と説得して、自分たちでプロデューサーさん探しから始めました。

――自力でプロデューサーを探すのは苦労されたのでは。

ぎんしゃむ 本当に大変でした! いろいろなプロデューサーさんと話したけど、「2人組ユニットはうまくいかないことが多いから、難しいよ」と断られてしまって。

「メンバーを増やすならいいかも」と言ってくれる方もいたんですけど……。