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黒い原監督と白い高橋氏

 高橋氏には原監督や他の候補者にはない強みもある。

 巨人は今季、8月までの観客動員で阪神の後塵を拝し、19年から、4年連続でセ・リーグ1位の座を明け渡しそうだ。投打の主力は生え抜きで固めている阪神に対し、巨人は観客数に直結する毎試合出場する野手で、坂本勇人と岡本和真が振るわず、中田翔、丸佳浩の“外様”や外国人選手が目立ち、若手の台頭も芳しくない。

「こういうチーム編成にしたのは、ほかでもない全権を持つ原監督。試合の中での選手起用や若手育成の手腕でもファンには疑問の声が少なくない。見限られつつあることが、この数字に表れている」(担当記者)

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岡本和真 ©️文藝春秋

 原監督は8月、生え抜き4番の岡本和真が不振とみると、昨年途中に日本ハムで暴力問題を起こし、トレードで救済した中田翔を4番に昇格させた。そもそも原監督自身には12年、女性問題を解決するため、元暴力団員に1億円を支払ったと「週刊文春」に報道された過去がある。

中田翔と侍ジャパンの栗山監督 ©️時事通信社
ノーベル化学賞の吉野彰氏と原監督 ©️文藝春秋

「ファンからは、いまだに原監督からはダーティなイメージが払拭されていない。岡本の4番降格の時も自分が現役時代に『聖域』と表現した4番に、スネに傷を持つ中田を代役にするのかと冷ややかな声が聞かれた。ファンはこうしたことを含め、原監督に嫌気がさしているのではないか。ヨシノブさんなら対照的に好感度が高い。評論活動でさらにアップさせ、ファンへの訴求力がある。現役時代にスキャンダルがなかったわけではないが、なぜか桑田コーチや阿部コーチよりもインパクトが小さかったので」(同前)

 強化、ファン獲得で危機に瀕するチーム状況にあって、前監督の出番は訪れるだろうか。