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今年のドラフトも“おかわり”系!? 日本一アマ選手を見ている男が西武に勧める5人の逸材

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/09/15
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西武で成長を期待できる3人の好打者

 外野手を重視するのであれば、大学生なら蛭間拓哉(早稲田大)、高校生なら西村瑠伊斗(京都外大西)を推したい。

 蛭間は浦和学院時代からU18侍ジャパンにも選ばれた強打者で、大学でも順調に成長。今年春までに東京六大学野球で現役最多となる12本塁打を放つ活躍を見せており、大学日本代表でも中軸を打つなど実績は申し分ない。たくましい体格だが抜群の脚力を誇るというのも魅力だ。出身は渡辺久信GMと同じ群馬県桐生市であり、高校は前述したように埼玉の浦和学院というところも、西武に縁を感じる選手である。

 西村はレベルの高い近畿でも打撃ではナンバーワンの呼び声高い左の強打者。昨年秋の京都府大会で5本塁打を放って注目を集め、今年夏も厳しいマークの中でも6試合で4本塁打を含む8本の長打を放ち、6割を超える打率を残した。体はそれほど大きくないものの、全身を使ってヘッドを走らせて広角に長打を放ち、バットコントロールには天才的なものがある。投手としても145キロを超えるスピードボールを投げる強肩も魅力だ。

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 ここまでは打撃を重視して選手をピックアップしたが、源田、外崎の年齢を考えると二遊間の選手も狙いたいところだ。

 今年は大学生に有力候補が多いが、3位や4位で残っていれば狙いたいのが奈良間大己(立正大)だ。常葉大菊川では3年夏の静岡大会で大活躍し、蛭間とともにU18侍ジャパンにも選ばれている。現在は東都二部に所属しているが、今年春には3割を大きく超える打率をマークするなど見事な成績を残した。

 他にも同様のタイプの選手はいるが、推した理由は西武のチームカラーに合っていると判断したからだ。少し軽率なところがある守備は鍛える必要はありそうだが、とにかく打撃の思い切りが良く、ここ一番で何とかしてくれそうな雰囲気が漂っている。タイプ的には外崎の後釜として期待できる選手だろう。

“稼頭央”を引き継ぐ大型左腕

 野手を優先したいと最初に書いたが、もちろん投手も将来に対する備えは必要である。

 昨年下位で指名した羽田慎之介と黒田将矢は典型的な未完の大器タイプだけに、投球術に長けたセンスが光る投手が欲しいところだが、そんなニーズにマッチした選手としては大野稼頭央(大島)を挙げたい。

 春の選抜では守備の乱れもあって初戦で大敗したものの、悪い癖のないフォームで緩急を巧みに使ったピッチングは高校生離れしたものがある。細身だが夏にはストレートが140キロ台中盤をマークするようになっており、力強さも増した。名前の“稼頭央”も現ヘッドコーチの松井稼頭央が由来とのことで、そういう意味でも西武にうってつけの選手と言えそうだ。

 ドラフトの面白さは、このように贔屓のチームにどんな選手が合うのか、来てほしいのかを考えるところにある。今回は5人の選手の名前を挙げたが、他にも楽しみな選手は非常に多いため、10月20日の本番に向けて、これを読んだ皆さんも渡辺GMになったつもりでぜひどんな選手を西武が指名するかを考えてみてもらいたい。

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