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小さい頃から競馬新聞や雑誌を熟読

 “あの一流ジョッキー”のサポートもあるようだ。前出の飯田師が続ける。

「エージェント(騎乗依頼仲介者)が同じという縁もあって、(福永)祐一がトレーニング方法などの面倒を見てくれているようです。減量の苦労も見せない。『今週は(騎手の体重を含む負担重量が)49キロだけど大丈夫か』と聞いて、『大丈夫です』と答えたら、私もそれ以上は言いません。彼女もプロなので」

 もう一つ、彼女の特徴がある。「言葉力」だ。

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「インタビューをしていても話すことが正確で、自分の考えを『伝える力』が非常に高いと感じます」(前出・大恵氏)

 その力はどうやって培われたのか。今村自身は競馬サイト「netkeiba.com」の取材でこう語っている。

〈小さい頃から競馬新聞や雑誌をたくさん読んでいて、ジョッキーのコメントはいつも見ていました〉

朝日新聞(8月24日付朝刊)で大きく取り上げられた

 それゆえ、自らも勝因や敗因が伝わりやすい表現を考えているという。こうした「分析力」も今村の強みだ。前出の寺島師が言う。

「比較はおこがましいですが、武豊さんと似ている印象があります。豊さんは地方競馬や海外のレースにも精通していますが、彼女も良く見ている。騎乗前は競馬新聞を穴があくほど読み、一頭一頭の特徴やレース展開を想定しています」

 

今は仕事一本だがいずれは…

 今村は現在、栗東の寮で1人暮らし。ターフを離れれば、普通の女の子だ。前出のnetkeibaでは、オフの過ごし方も明かしている。

〈いまは“美”を追い求めています。休みの日はハーブピーリングという、内面から肌を綺麗にするエステに行ったり、眉毛サロンに行ったり〉

 となると、恋人も? 康成さんに尋ねたところ、

「ハハハ、いずれはあると思いますが、今は仕事一本じゃないでしょうか。あと半年、怪我する事なくレースに乗って欲しい。1年継続して乗り続けることで競馬に必要な体力もつきますし、実戦から学ぶものはたくさんあるはずです」

 今村の騎手人生、まだゲートが開いたばかりだ。