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「2次元しか愛せない」と友人の前で豪語していた花森だが、B子さんの前では「アニメ好き」「昆虫好き」のキャラを封印していたという。

高校時代の花森容疑者

「B子が喉が痛いというと、『自分は医者家系だ』と言って東洋医学のウンチクを披露するわりに、『じゃあクマも医者になるの?』と聞くと『人間の身体は責任が重すぎるから生物の研究をする』と答えたりしていました。B子の家の近くに大きな角のある鹿がでて騒ぎになった時は、『そんな鹿、俺なら素手で倒せる』と言っていました。

 B子からよく思われたかったのでしょうが、とにかく距離のとり方が下手。複数人で話していても、B子以外の質問には答えなかったりするような状況で、B子も周囲も徐々に扱いに困るようになっていきました」(同前)

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白金高輪警察署に護送された花森容疑者 Ⓒ文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

赤い薔薇、そしてヤドカリの“つがい”

 B子さんに対する花森の行為は徐々にエスカレートしていった。

「一度B子が帰宅途中にサラリーマンにナンパされたことがあったんですが、それを聞いた花森は頼まれてもいないのに彼女が予備校を出る際に周囲を巡回したり、店でレジに並ぶB子を商品棚の影から見守っていたり。帰り道も他の女友達をおしのけてB子の隣をキープしていました。好意があるのはわかっていましたが、一歩間違えばストーカーというレベルでした。

 9月末のB子の誕生日に皆で寄せ書きのメッセージカードを作った時も、花森は『誕生日おめでとう あなたのクマより』と書いていた。しかも誕生日当日の夜、友達数人でB子の家まで行ったんですが、B子の家の前についたら花森が急に地面に膝をついて赤い薔薇の花を渡したんです。皆がポカーンとしていると、歯が浮くような台詞を並べ、さらに虫かごを取り出して、ヤドカリの”つがい”をプレゼントしました。B子は断るわけにもいかず苦笑いしながら受け取ったんですが、それを花森は『受け入れられた』と勘違いしたんです」(前出)

花森容疑者が高校時代にヲタ芸の練習をしていた駿府城公園 Ⓒ文藝春秋

 B子さんの誕生日を経て、10月には花森のB子に対する執着は激しくなり、これまでは比較的節度を保っていた予備校の中でも目にあまるようになっていった。

「教室ではいつもB子の隣の席に陣取ってジーっとB子を見つめていて、B子が『何?』と尋ねると席の間の仕切りに頭をひっこめるような状態でした。かと思うと突然『髪綺麗だね』と髪を触ったり、B子が他の男子に勉強を教えてもらっていると席の後ろから無言でプレッシャーをかけたりして、『俺がいないと何もできないんだね』『勉強も教えてあげるよ』となぜか上から目線になっていったんです」