文春オンライン

2022/10/30

泣いてもすがっても夢を持った男は行くのでしょう

 さて、では書きますか。山﨑康晃投手のことを。

 前回のコラムでは私から康晃投手へ渾身のエールで焚き付け、今季文句なしの復活と飛躍で応えてくれたことには嬉しい気持ちしかありません。チームを押し上げた立役者となり個人の記録もキラキラ。今季は56試合登板で37セーブ、防御率は1.33ですと。

 実はあのコラムの後に康晃投手から心のこもった直筆のお手紙とサイン入りユニフォームをお贈りいただきまして、それはもう飛び上がって喜んだわけです。特にユニフォームはどう見ても新品ではない使用感と芳しい柔軟剤の匂いを漂わせて届きまして、これが、プロ選手の使用済みユニフォームってやつですか。いただけるのですね。ありがとう、着ます。球場でもう着てます。

©釈由美子

 ということで読者の皆様、康晃投手もこのコラムを読んでくれているということが判明したわけであります。

 康晃投手、あなたの躍進を私は心から願っていました。そしてその通りに自己実現された姿に敬意を表すると共に私も自分ごとのように嬉しく思っています。おめでとうございます。

 ただですね、横浜を飛び出してメジャー挑戦なんてことまで煽ったつもりはなかったのですよ。

 今オフにメジャー挑戦が有力視される康晃投手。通算200セーブ達成、それも史上最年少でやってのけた申し分ない実績を引っ提げて新しい挑戦に向かう。世界を睨むのも自然の流れかもしれません。

 横浜の誉、世界へ羽ばたけとファンの間でも背中を押す声があるようですが、やはり横浜にずっといてほしいというのが私の願い。リーグ優勝という仕事もまだ残っていますから。

 今季の球場応援でも勝ち越し展開からのお家芸、康晃投手のクロージングを堪能しました。登場シーンの演出は一瞬球場を暗闇にしてしまうなど更にパワーアップしていました。

 本人に自覚があるかは分かりませんが、あのヤスアキジャンプという儀式が康晃投手の能力を引き上げているということが言える上で、まずアメリカでヤスアキジャンプは流行らないと思うので出せる力は半減しますね。これは嫌な予感がしますよ。

 なんて冷や水を浴びせてはみましたが、泣いてもすがっても夢を持った男は行くのでしょう。そして本気で行くということがもし決まったなら、私だってバンザイ三唱で送り出してあげたい。残留かメジャーか、交渉の行方を複雑な心境で見守っています。

山﨑康晃 ©時事通信社

 How can you not to be romantic about baseball?
 人は野球に夢を見る。 

 ますます理想的なチームとなって完成も近い。準備が整ったという感じがします。

 底堅い強さは来季更なる進化を実現し本当に優勝を手にする気がしています。

 横浜ベイスターズが日本一になる時は、そこに康晃投手の貢献もあってほしい。

 選手ならびにチーム関係者、野球ファンの皆様、2022年シーズンもお疲れ様でした。

 来年もまたとても熱いシーズンになりそうです。

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