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ファイターズの謎の魚? 『しゃけまる』は“応援グッズ”か“新キャラクター”か

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/09/25

「しゃけまるでーす!」

 という声がしたのです。9月19日の札幌ドーム、対マリーンズ戦の日でした。1階北側プリンスホテルの売店の前。折しもお昼時、私は「伊藤大海ののっけ丼」を買うべく並んでいるところでありました。スタジアムグルメです。グッズ売場ではありません。それで何故にしゃけまる?

 しゃけまる。ご存じではないという方も、名前で何となく想像がつくのではないかと思うのですが、「鮭」です。生まれた川に帰って産卵するという鮭の習性から、「ホームに還る」つまり得点が入るようにとの意味を込めて、今シーズン新たに登場した……応援グッズ、なのです。たぶん。

これはやはり「キャラクター」なのか

 最初に観た告知動画には「新応援グッズ」とのテロップがありました。その数日後、球団ホームページの発売開始のお知らせを見ると、そこには「新キャラクター」とあったのですね。

 試合中、ビジョンに表示される「しゃけUP!」に合わせて、手に持ったぬいぐるみを上下させる、棒状のバルーンをぽんぽん打ち合わせる。これはまさしく応援グッズです。しかししゃけまるキャップやパペット、ヘアクリップとなるとどうでしょう。昔、NBAの応援風景で郵便受けのかぶり物を見たことがありますが、「ゴールポストに得点が配達されますように」との意味だそうで、となればしゃけまるをかぶったり手にはめたり髪に止めたりして観戦するのも同様のことだとは言えそうです。うん、応援グッズの範疇でいいですね。

「しゃけまる」を持つ伊藤大海

 けれども単なる応援グッズであるならば、しゃけまるという名前は必要だったでしょうか。ただ「鮭グッズ」でもよかった筈です。してみるとこれはやはり「キャラクター」なのか。グッズのラインナップを見てみても、球場に持ってくるのには明らかに不向きなものが混ざっています。長さ45cmのぬいぐるみ、このぐらいまでならまあ何とか。しかし80cmのぬいぐるみを上げ下げするのは後ろの人の邪魔ではないでしょうか。160cmのぬいぐるみに至っては、これ用にもう1つ座席が必要になってしまうではありませんか。チケット代が倍ですよ。

 プリンスホテル売店前の列は進み、カウンターがよく見えるところまで来ました。何と、しゃけまるぬいぐるみがごろんと鎮座ましましています。確かにここは海鮮が目玉だけど……と思ったら。

©青空百景
©青空百景

 各飲食売店のファイターズコラボメニューはドーム内のあちこちに特大ポスターで掲示されていますが、7月から始まったというしゃけまる印メニューはそこには入ってないんですね。王子サーモンとファイターズのコラボ商品が発売されたのは知っていましたが、スタジアムグルメもあったというのは全く失念しておりました。そうか、ここのお店だったんだ。「しゃけまるでーす!」がしょっちゅう聞こえます。なかなかの人気メニューの模様。

 そこでふと疑問がわきました。この「しゃけまる印のサーモンちらし」の注文が入ると、それを「しゃけまるでーす!」と伝える訳です。ならば、やはりコラボメニューの「伊藤大海ののっけ丼」の場合はどうなのか。注文を通す言葉は「伊藤大海でーす!」だったりするのでしょうか。