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なぜか車内にムード満点のバーカウンターが

 ゆかり号の車両は16両編成。普通車(エコノミークラス)と、ファーストクラスの2種類の席がある。ゆかり号には、ムーディーなバーカウンターのある車両があったり、車内販売の商品ストックを保管するパントリーがあったりと、現行の新幹線にはない設備があり、見ていてとても楽しい。ちなみに、バーカウンターはあったが、食堂車の描写はなかった。

 7号車は、劇中で大人気とされるアニメ『モモンガテレビキッチン』のキャラクターが車両をジャック。ピンク色の照明で雰囲気をつくり、各座席には、メインキャラクターである「モモもん」の顔をデザインしたヘッドレストカバーがかけられている。JR西日本のハローキティ新幹線のように、世界観をたっぷり楽しめるようだ。

 車内にはモモもんの着ぐるみがいて、乗客の子供たちと戯れる。ちなみにこのモモもんは、東京2020パラリンピックのマスコット「ソメイティ」に似ている。

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普通車の座席がチープすぎる

 続いて、普通車はどんな感じか見てみよう。左右2列の、4列シートで、3列+2列の東海道新幹線とは少し異なる。筆者の目に留まったのは、その座席シート。申し訳ないが、お世辞にも快適そうだとは言えない。

写真はイメージ ©iStock.com

 ブルーの細かいチェック柄のシートは、ややチープな布素材で、厚みがなく、固そうだ。フレームはスチール素材のようで、古ぼけて見える。リクライニング機能はおそらく付いておらず、長時間移動でこの座席は、ちょっときついかもしれない。向かい合わせのボックス席が一部のみあらかじめ固定されており、座席の回転は不可能のようだ(欧米の列車っぽい)。

 言っておくが、車内のほかの設備は最新式だ。ムーディーな照明、最新式のトイレ、動画広告モニターなど、ハイテク設備を備えているのに、なぜ普通座席だけがしょぼいのか。失礼ながら、NSL(日本高速電鉄)は、ここをもっと改善すべきだろう。無論、現行の新幹線座席とはクオリティがかけ離れていた。