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停車する「米原以外全部間違ってる」の声も

 名古屋の次の停車駅である米原には6:45に着く。名古屋~米原は25分で走行したことになるが、現行ダイヤのこの区間は約30分(ほとんどが途中、岐阜羽島に停車する)。まずまずリアルな時間感覚といえよう。

 米原駅は朝もやがホームを包み、天空の城のような幻想的な雰囲気で描かれる。他の駅はネオンが輝き、「ザ・都会」な描写がされていたが、米原のみ、周りに何もない駅である。これにはツイッターで「米原駅が妙にリアル」「米原以外全部間違ってる」という声も寄せられている。

 米原を出て、終点の京都には7:15到着。米原~京都間は30分。現行ダイヤだと約20分なので、まずまずの時間配分だった。

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 さて、この夜行新幹線「ゆかり号」。東京19:30発、京都07:15着と、合計11時間45分で結ぶのは、かなりゆったりしたペースではないか。夜行列車はスピード重視ではないものの、たとえば東京~大阪間をかつて運行した寝台急行「銀河」は、8時間20分程度で結んでいたようだ。

 一体、ゆかり号は時速何キロで走行しているのか。オフィシャルの宣伝文で確認すれば、なんと時速350kmとのことである。現在、東海道新幹線の走行スピードは最大285kmであるから、かなり速い。このスピードなら、一晩の間に東京~京都を何往復もできてしまうのではないか、と邪推してしまうが、そこも含めてファンタジックな映画である。

 そしてこの映画の最大のツッコミどころは、「この列車は京都行きだ」とさんざん言っているのに、列車の行き先表示が「新大阪行き」となっているところだ。

 以上が、鉄道ファンである筆者による『ブレット・トレイン』である。鉄道ファンなら、ストーリーと並行して、列車にツッコミながら映画を鑑賞しても十分に楽しめるだろう。