「あなたは演技はできているけど、声が出ていない」
ある映画の吹き替え現場で、衝撃的な一言を受け取った井上喜久子さん。先輩声優からの助言は、井上さんのその後の人生にどんな影響を与えたのか?
初の自叙伝『井上喜久子17才です「おいおい!」』より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/#1、#2を読む)
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朝のお祈り、白湯、腹筋は安定の秘訣
朝に自分が決めたことを毎日やるのを、“幸せのルーティン〞というそうです。私のルーティンは、以下の三つ。
一、お祈りをして心を落ち着かせる
二、白湯を飲んで体を癒やす
三、腹筋をして鍛える
朝起きると、まず窓を開けて、太陽の光を浴びます。そうすると幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが出るんですって。そして深呼吸をしたら、最初にやるのがお祈り。
私は土地神様というのを信じていて、自分が住んでいる家といちばん近い神社に月1回、“おついたち参り”をしているんですね。その小さい神社に行って、「先月も元気で暮らせました。ありがとうございます。今月も幸せに過ごせますように」と、お礼とお祈りをしてきます。自分と家族の健康、世界平和、みんなが笑顔でいられること……。いくつか自分の中で大切にしている願いがあって。
本来は月初めの1日に行くものですけど、そうもいかないので、日にちは決めず月の初め頃に1回、必ず行きます。それと毎朝、神社の方角に手を合わせて、同じことをお祈りしているんです。
そのあとには、お湯を沸かして、お白湯をコップ1杯くらい飲みます。ちなみに、飲む前にはしっかりと口をゆすぐのがポイントです。よくモデルさんが美容のためにやっていますけど、朝一番に体に入れるものは大切で、白湯は血液の流れを良くする
んだったかな。とにかく、飲み始めてから体調がすごく良くて、もう何十年も続けています。
白湯を飲んだら、次は腹筋。昔、通販で買ったイス型のマシンに乗って、腹筋を鍛えながら、目ではテレビの情報番組を追いつつ、発声練習も同時にやります(笑)。マシンがスイッチを入れると15分で切れるので、発声も15分しっかりやっていて。そこから1日が始まる感じですね。
私の“幸せのルーティン〞はお祈り、白湯、腹筋。この三つのおかげで、毎日とても安定しています。