安部博良さん:
才田さんはなんでもできる人なんです。特にデータベースを構築する技術、能力がすごいんです
安部館長の期待を受け、才田さんは2021年9月には学芸員の資格を取得。資料整理や展示の改善などに力を注ぐ。
副館長・才田孝さん:
収蔵資料の管理は素人だったので、少しでも系統的に整理や運営ができればと思ってチャレンジしました。収蔵品のうち、展示してあるのはごく一部で、まだ倉庫にたくさんあるので、きっちり整理して将来に継承できればと思っています
針が内側から外側に動く、貴重な大型レコード盤も発掘
資料館の収蔵品は市民や収集家から寄贈されたもの。その数は3万点以上にのぼる。
資料の整理を行う中で、新たな発見も…。
才田孝さん:
このレコードを見てください。ちょっと大きいですよね。普通のレコード、LPは直径が30センチなんですが、こちらは40センチ。これはアメリカで作られて1930年代から50年代にアメリカの放送局で使われていたもので、いわゆるペンタゴン、国防総省で作られた米軍の軍属向けの放送用のレコードなんです
珍しいのは、その歴史や大きさだけでない。
才田孝さん:
普通のレコードは針が外から中に行きますよね。これ内側に針を置くと外側に動くんです。これって非常に珍しい。日本全国探してもないんじゃないかと
助っ人が加わり、資料館の存続に明るい未来が
才田副館長が来てくれたおかげで仕事に余裕ができ、集中して修復ができるようになったという安部館長。何より大きいのは、資料館の存続に明るい未来が見えてきたことだという。
安部博良さん:
才田さんが来てくれたことで庄原市に対して安心感を与えたと思います。建物の修復にも5か年計画を策定してもらって順次進めていこうということになりました
二人の元エンジニアがタッグを組んで映像、音響機器だけでなく、地元に伝わる農具、民具の展示にも取り組み、郷土資料館の存続に力を注ぐ。
才田孝さん:
こちらには口和町で集められた民具や農具など資料がたくさんあります。
才田孝さん:
そしてこの20年くらいで収蔵され、まだ修復されていない映像音響機器がたくさんあります。そういったものを効率的に系統立てて後世に伝えられればいいなと思っています
この郷土資料館は、リタイアした人たちのスキルを活かすことが、地域活性化に結びつくという一石二鳥の効果を出している。
口和郷土資料館は月・木・土曜のみ開館。
(テレビ新広島)