えみっくす ターニングポイントですね。このままでいいの?って、いい意味で開き直れて、“自分”を出せるようになったのは大きかったです。それまでは、「デブ」とか書かれると速攻ブロックしてたのに、「どう見てもデブだろ!」っていう返しもできるようになって。私の強みはここなんだという手応えを感じました。
「デブ界の橋本環奈」を名乗り始めたきっかけ
――ところで「デブ界の橋本環奈」というキャッチフレーズは、いつから?
えみっくす イチナナで「太ってるけど、顔は橋本環奈みたいだよ」って言ってくれたファンの方がいたんです。
――それまで「自分で橋本環奈さんに似てるかも」と思ったことはあるんですか?
えみっくす 一切ないです! ただ私としては、橋本環奈さんに“似てる”という直接的な意味じゃなくて、美少女の代名詞のような意味合いだと思ってて。私もノリで「じゃあデブ界の橋本環奈ってことかな~」なんて乗っかったら、そのファンの方が、これからそう自己紹介していけばって提案してくれたんです。
それから少しずつ配信に人が増えて、私もふざけて、橋本環奈さんがブレイクするきっかけになった“1000年に一人”の時の衣装に似せたコスプレをしたりして……調子にのっちゃいました(笑)。
ハッシュタグを付けただけで炎上
――2019年にはTikTokも開始。また世界が広がったのでは。
えみっくす SNSのフォロワー数がぐんと増えましたが、「#橋本環奈」とハッシュタグをつけるだけで、何度も炎上して。病むこともありましたが、何もバズらないよりは、笑いにしてもらうほうがいいって思うようになりましたね。
――そして、「ミスiD2022」アイドル賞受賞。新しい時代にふさわしい、唯一無二の存在を発掘するオーディションですね。
えみっくす 審査では、プラスサイズがどうとかじゃなくて、みんなと同じ土俵でグランプリを目指したいという話をしました。そうしたら「アイドル賞」をいただけて。思いが伝わったんだな、と素直に嬉しかったです。
「今がいちばん悩んでる」
――今振り返って、いちばん人生に悩んでたのは何歳ぐらいでしたか?
えみっくす 逆に、今かもしれないです。
過去の自分には、周囲の顔色をうかがって進路を選択する人生だったけど、そんなことで夢を諦めなくていいんだよって伝えたい。そして今、知名度は上がっても結果はまだ何も出せていません。もっと頑張らなきゃって、悩む日々です。
――今後の目標は?
えみっくす バラエティ番組や、演技のお仕事もしたいと思ってます。ぽっちゃりとか関係ないぐらい、圧倒的に有名になりたい。憧れの対象になりたいです。
――もし橋本環奈さんにお会いすることがあったら……?
えみっくす 橋本環奈さん、見た目はもちろん、サバサバした感じとか、性格も大好きなんです。お会いしたら……どうしよう!? もう、ひたすら謝るしかないですよね(笑)。
写真=石川啓次/文藝春秋
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。