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 車内の臭いなど、感覚的な異常が生じている場合に厄介なのが、「どの時点でそれが生じたのか」という点である。ペット乗車の「次の利用者」になってしまったHさんは次のように言う。

「貸出ステーションで車に乗り込んだとき、かすかに動物臭を感じたんですが、『色んな人が使うしこんなものか』と思ってそのまま使ってしまったんです。

 その後、買い物の荷物を後部座席に載せるときに、シートにペットの毛がついているのを見つけて、『もしかして直前の人がペットを乗せて、そのままの状態なのでは』と思い、そこで調べてはじめてペットが禁止されていることを知りました。

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 このままでは自分がペットを乗せたことにされると思い、カーシェア会社に急いで報告しました。とくに疑われることもなく、『後日調査するので差し支えなければそのまま利用を続けてほしい』と言われ、その通りにしました。返却後もとくに何もなかったので、前の人がすんなりペット乗車を認めたのかな、と思っています」

 貸出・返却の際に車両状態を確認するスタッフがいないため、キズや汚れなど責任の所在が曖昧になりやすいこともカーシェアのリスクである。

©iStock.com

バッテリー上がり、交換費用は利用者負担?

 さらに、故障が生じた場合も、責任の所在が曖昧になりやすい。車を借りている最中、バッテリートラブルに見舞われたIさんは言う。

「最初に乗った時から、やたらとエンジンのかかりが悪いなとは思っていたんです。旅行先で一泊したあと、出発しようとしたらエンジンがかからなくなっていて……。ライトを点けっぱなしにしていたとか、そういった落ち度はなかったはずです。

 サポートに電話すると、ロードサービスを手配してくれましたが、『ロードサービスでバッテリーがかからず、自力で返却ができない場合には、レッカー費用を負担してもらう』と説明されました。

 幸いエンジンはかかったので無事返却できたのですが、時間も大幅に削られて、利用料金もしっかり取られ、どうにも納得できませんでした」