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ハウステンボス「ロボットと人工知能導入で長崎県民1000人削減」に見る修羅の世界

2018/01/11

「話しかけてくれないと、寂しくて泣いちゃうかも」

 問題は、ハウステンボス内にあるロボットが料理を作ってくれるという触れ込みの「変なレストラン」というビュッフェスタイルの店であります。昼だろうが夜だろうが、いい値段をとるので、せめてロボットとの交流を深めようと思って卓上にある接客コンピュータと対話するわけなんですよ。

ワイ「こんにちは」
ロボット「ヒマだなあ」
ワイ「お薦めは何ですか?」
ロボット「私の顔をタッチしながら、ゆっくり喋ってね」
ワイ「お・す・す・め・は・な・ん・で・す・か?」
ロボット「話しかけてくれないと、寂しくて泣いちゃうかも」

 貴様、ぶち壊すぞ。店員の長崎県民はいそいそと料理出したり頑張っているし、愛想も良いんですけど、肝心の料理が壊滅的に美味しくなく、ピザは明らかに冷凍食品で、ロボットの作ってくれるお好み焼きも「これはロボットが作ってくれたのだ。ロボットが作ったんだ」と自分に言い聞かせながら食べなければならないような、残念な出来です。

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なぜ長崎県民とロボットの戦いが幕を開けようとしているか

 関係ないけど、ロボットに200円払うとソフトクリームを作ってくれる機能があって、子供と並んで待ってたら前の家族連れが「おい! 何だこのロボットは! 600円入れたのにソフトクリームが3個しか出てこないぞ!!」と騒いでいて、ロボット以前の客層の問題もあるかもしれません。あまりにもアレだったので、そそくさとレストランを後にしました。毎回、帰るときは「二度と来ねえぞ!」と思いながら出るんですけどね。

2016年7月の報道より。「変なレストラン」料理長のアンドリュー(左) ©時事通信社

 一事が万事こんな展開でありまして、毎度泊まるときは近所のホテルオークラJRハウステンボスに滞在するんですよ。やっぱり、せっかく家族旅行するからには安心できるところがいい。1階のブッフェは最高に美味しいし、鉄板焼きも中華も一通り食べてどこも外れ無しの大満足で、ホテルの皆さんもにこやかで、おまけにホテル内にコンビニまであります。エレベーター扉が閉まるのが地味に速くて、作務衣着た風呂上がりのババアが頻繁に挟まってることを除けば実に快適です。

 そんなハウステンボスでなぜ長崎県民とロボットの戦いが幕を開けようとしているかというと、やはりハウステンボスの「広すぎて閑散としててビジネスとしていけてない問題」があるからではないかと思うのです。