トカゲのしっぽ切りのような不正義を放置しないでほしい
本当にコストが高くて問題だったのだとするならば、オリンピック全体でどれだけのおカネを使ったのか、また、それらの使途は本当に適切であったのかが問い直されなければならないはずです。
実際には、2022年6月30日に東京オリンピックの組織委員会は解散してしまい、だからこそ用済みとなった今回の高橋治之さんの摘発もスムーズにいったのかもしれませんが、それでも使われたのは国民の税金であり、その金額も1兆4,000億円あまりが費消されたと言われています。安倍晋三さんの国葬で使われる警備費込みの16.5億円が問題になっている、その約1,000倍が使われたのが東京オリンピックなわけですよ。
実は3兆円超え?試算も 東京五輪「1.4兆円」に関連経費含まれず | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220621/k00/00m/050/111000c
岸田文雄さんにお願いしたいのは、この途方もないどんちゃん騒ぎで国を挙げてカネを使った結果について、きちんとした決算が行われないまま、なんか適当な感じで高橋さんも群がった企業も悪かったですねとトカゲの少し太めのしっぽが切られて終わるような不正義を放置しないでほしいという点です。
悪弊を一掃する良いタイミングなのでは
ここには、東京オリンピック・パラリンピックで「人材サービス」カテゴリーにおける『東京2020オフィシャルサポーター』契約を締結していたパソナグループが受託していた日当35万円という異様に高騰した人材派遣を認めた構図も含まれています。他にも、オフィシャルサポーターの名目で社名を連ねてしまえば、オリンピックにまつわる支出を割高で独占的に受注することができるという、文字通り商業主義に侵された五輪の構造が浮き彫りとなります。
AOKIが提供したダサいとも酷評された謎の五輪スーツも、KADOKAWAが求めた公式プログラムの発行も、すべては「一度カネを入れてオフィシャルサポーターになれば、利益率の高い五輪関連ビジネスが転がり込んでくる」のであり、それを知っているからこそ、森喜朗さんが亡くなられたご子息絡みのスキャンダル報道があったからか、これを報じた講談社を外そうとしたのも、単なる私怨ではなく利権構造がハッキリしているからでしょう。