「どこにでもいる普通のお父さん」が隠し持った“裏の顔”
「クラスでも目立たない、教室の隅にいるようなタイプで、確かサッカー部に入っていました。西宮市内の公立高校に進学したはずですが、その後は同窓会にも全く顔を出していません」
高校卒業後は徳島大学の工学部に進学。電気工学を学び、大阪市に本社がある住友電工に就職した。一部上場の同社は住友グループの中核企業の一つで、昨年度の連結売上高は約3兆円だ。
元同僚が印象を語る。
「今は子会社に出向して、コンピュータのソフトウェア作りにエンジニアとして携わっていました。もう管理職になっていたはず。勤務態度は真面目で、朝は一番早く、7時くらいには出社していましたね。仕事の愚痴も言わず、足を怪我してギプスをしていた時も周囲に何も言わなかった」
一流企業のサラリーマンとして働く一方、趣味も複数あったようで、「サッカーが好きで、入社後もプレーしていました。酒は強く、日本酒をよく飲んでいて、醸造方法とかまで詳しかったです」(同前)。
2000年には西宮市内の総戸数1000戸を超えるマンモス団地の一角にある、新築の集合住宅を約4500万円で購入。登記簿によれば約2400万円のローンを組んでいる。ここでごく普通の家庭を築いていた。
「高校生と20歳ぐらいの娘さんと、小柄で美人の奥さんとの4人家族。最近も、娘さん2人と宮本さんで電車に乗って出かける姿を見ました。どこにでもいる普通のお父さんという印象です」(近隣住民)
その一方で、突然激高する一面もあったという。
10年ほど前、同じ団地に住む家族が駐車場に車を止め、子供がドアを開けようとした際、父親が「ぶつけないように気をつけてや」と注意したことがあった。すると、それを聞きつけた宮本が上の階から降りてきて、こう言い放ったのだ。
「いま、自分の車にぶつけたやろ!」
親子が何度否定しても、「いや、傷ついてる気がする」と言い張り続ける宮本。困り果てた親が警察を呼ぼうとすると、しぶしぶ諦めて帰ったのだった。