しかし、ロシア側がウクライナを攻撃する口実にするために、橋への攻撃を自作自演した可能性はないのでしょうか?
筑波大学・中村逸郎名誉教授:
それは違うと思います。やはり今回「橋が落ちる」、あれはある意味で「プーチン政権が崩落した」と重ねることもできますので、橋が落ちてしまったことに関しては、プーチン大統領にとっては大変な危機感を抱いているんです。と同時に、ウクライナが関わったと言うことになれば、大変な復讐心に燃えていると考えられます。
原子核魚雷“ポセイドン”とは?
核兵器使用の緊張が高まる中、海外メディアが注目しているのは、ロシアの原子核魚雷「ポセイドン」です。
水中から沿岸に接近し、海の中で核爆発を起こすことにより、衝撃で高さ500mの津波を発生させるといいます。
2022年4月にイギリスのジョンソン首相(当時)がキーウを電撃訪問し、ウクライナ支援についての首脳会談を行うなど、ロシアに対して強硬姿勢を示した際、ロシア国営テレビが「ポセイドンは最大100メガトンの核弾頭を搭載」「イギリスの海岸近くでこの魚雷が爆発すれば最大500mの高さの津波がイギリスをのみ込み放射能の砂漠と化すだろう」と警告するなど、すでに“威嚇”としても使用されています。
さらに10月2日、イタリアの一般紙「ラ・レプブリカ」は「ポセイドン」を積んだ原子力潜水艦が北極圏の基地を出港し、核実験を行う可能性があると報じました。
また、アメリカのバイデン大統領は6日、「プーチン氏が核を使えば、アルマゲドン(世界最終戦争)は避けられない」と発言。
そしてこの「ポセイドン」についてCNNは、2020年11月に当時のアメリカ国務次官補が「米沿岸部の都市に放射能の津波を押し寄せさせる狙いで設計された」と語ったと報じました。
高さ500mの津波の脅威…どれだけの被害に?
高さ500mの津波とはいったいどれほど恐ろしいものなのか?
ニューヨークが標的にされた場合、建物の大きさと比べると、自由の女神は高さ93m、エンパイアステートビルは443m、これらを優に上回る高さの津波が街を襲うことになります。