コロナ禍のなか、番組内で「私も大好き!脳ベル応援団」として千原ジュニア、伊集院光、清水ミチコ、ロッチ中岡、東野幸治がVTR出演した。それぞれが“脳ベル愛”を伝えるとともに、異口同音に絶賛したのが、岡田圭右の仕切りのすさまじさである。
「無解答で出したおばあちゃんのタレントさんに『潔い!』と、恥をかかせずにポンっと良いことを言う岡田君のやさしさ」とは伊集院光のコメントだ。
人間の脳はどうしたって衰えていく。クイズに答えることができない姿は、人によっては恥ずかしさをともなうだろう。しかし、この番組は岡田の名調子と仕切りによって、解答者を悪者にしない。人への寛容さがあるからこそ、海千山千のゲストたちが好き勝手に解答しても、「笑える」し「不快にならない」。
こうした面白さと安心感が絶大な支持を受け、コロナ禍以前は、『脳ベルSHOW』を母体とする『BSフジ11時間テレビ 全国対抗!脳トレ生合戦!!』が、2017年~2019年にわたって放送されたほどだった。
超人気番組が「縮小」する理由は?
そんなBSフジを代表する超人気番組が、縮小してしまうのだから、「!?」である。前出、谷口大二氏が説明する。
「おかげさまで『クイズ!脳ベルSHOW』によって、BSフジのプレゼンスは向上しました。一方で、それ以外の番組がなかなか育たないという危機感もあり、(『脳ベルSHOW』の)人気が健在なうちに仕掛けることが大事だと」
そこで、『脳ベルSHOW』で培ったDNAをまくことで、新たな人気コンテンツを模索しようと決断したという。
10月の改編によって、『脳ベルSHOW』は月曜22時のみの放送となった。火曜~金曜枠には、俳優・梶原善が案内人を務める『ビルぶら!レトロ探訪』(火曜)、中山秀征と三雲孝江がMCを務める『昭和歌謡パレード』(水曜)、落語家・桂宮治が街ブラをする『~日本全国~桂宮治の街ノミネート』(木曜)、フジテレビの名作ドラマを再放送する『名作ドラマアワー』(金曜)といったラインナップが並ぶ。なお、火曜MCの梶原善、木曜MCの桂宮治は、『脳ベルSHOW』の出演経験者だ。
「各番組のプロデューサーには、『脳ベルSHOW』に出演したことのあるゲストのラインナップを伝えました。新番組は、脳ベルSHOWファンの方も楽しんでいただけると思っています」(同前)