昨年4月、95歳で亡くなった脚本家・橋田壽賀子氏。TBSでは“三回忌”と言うべき来年のその時期に合わせて、追悼ドラマの制作が進んでおり、代表作『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の顔ぶれが揃う中、泉ピン子がキャスティングされていないことが「週刊文春」の取材でわかった。

公私ともに橋田氏と親交の深かった泉ピン子 ©時事通信社

 追悼ドラマのタイトルは『ひとりぼっち』。カウンターで握りたてのおにぎりを供する店に集う客たちが織りなす物語で、主演は嵐の相葉雅紀と上戸彩。脇を固めるのは、角野卓造、中田喜子、藤田朋子、さらにナレーションに石坂浩二と、『渡る世間は鬼ばかり』でお馴染みの顔ぶれだ。監督も『渡鬼』の清弘誠氏である。

 だが実は、出演者の欄に泉ピン子の名前が無いのだ。

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ファミリーの中心であるピン子がなぜ不在?

 ピン子は『渡鬼』の主役をはじめ、『おしん』(NHK)、『おんなは一生懸命』(TBS系)など数多の橋田ドラマに出演したファミリーの中心。橋田氏を「ママ」と呼び、熱海に移住した橋田氏を追いかけるように当地に移り住んだほど。

「主演は若い2人だとしても、本来ならばトメ(出演者の最後にクレジットされる大物俳優)で出てもおかしくない。でも、今回のトメに彼女の名前は無いのです」(TBS関係者)

橋田氏はTBSでの仕事が多かった ©文藝春秋

 橋田氏の追悼ドラマにピン子の不在。

「やはり、あの件が響いているのではないでしょうか」

 と語るのは、芸能プロ関係者。

「ピン子さんは橋田さんが亡くなってから、臨終の様子や葬儀のことを新聞や雑誌、テレビで喋り続けてきました。なかでもお骨上げのときに遺骨をもらい、橋田さんの好きだったクルーズ船から海に散骨したという話には、橋田さんに近かった人から異論が出ました。『遺骨をもらったはずがない』、『ピン子さんの出演する朗読劇の宣伝に利用した』と、批判が起こったのです」