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「能力もないし、責任感もない。何もできてない」大学のゼミで“名ばかり幹事長”と批判された男が「4代目バチェラー」になれた理由

『異なる勇気』 #1

2022/10/22

genre : エンタメ

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 みんなを楽しませようという気持ちが強いばかりにそんな目で見られるなら、つまんない人間になったほうがいいんじゃないか、と思いかけたこともあったけど、やっぱりそうはできなかった。

 どうしてかといえば、そこまで自暴自棄にはなれないから。

リーダー失格

 大学ではゼミの幹事長になり、人生ではじめてリーダーの役割を引き受けました。だけど、評価は最悪で、「幹事長とは名ばかりで、能力もないし、責任感もない。何もできてない」と、さんざん言われたものです。

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 そのときは「そんなことはない。一生懸命やっているよ!」と言い返したんだけど、それも意味がなかったんだと思います。

 なぜって、自分がちゃんとやっているつもりでいても、周りからそう見えていないのだったら、やっていないのと同じだからです。

「俺って能力がないのかな」、「みんなにダメ出しされて嫌われて、ゼミに行きづらいな」と悩んで、そのときもやっぱり引きずりました。

「頑張っているのに見ていないだけじゃないか」と言い返したい気持ちもわかります。でもそれって実は他責思考の表れですよね。

 伝わっていないのは、自分に原因があるのだと、冷静に考えれば気づくものです。そういうときは自問自答してほしいです。自責は一瞬苦しいと思います。

 でも、自分を成長させる機会をつくってくれてありがとう、と思えればポジティブだし、長い目で見ると圧倒的に得ですよ。

 僕にもそういった経験があるから、今現在、リーダーとして、当時の反省を生かしながら、社員に認めてもらいながらやれています。

HPが残り1になっても立っていられる

 僕は、痛みに強いんです。

 といっても、メンタリティが強いなんてことはまったくないんです。
身近なひとは知っているんだけど、どちらかというと僕は、ひとより繊細だと思うし、へこむときのへこみ方はハンパじゃない。瀕ひん死し の状態になることは珍しくありません。

 だけど、HP(体力)がしぶといんです。攻撃を受ければ、HPは残り2とか1とかまでいっちゃうんだけど、なかなかゼロにはならない。100と1は同じですが、1と0はまったく違うと考えています。

 本当に大きいのは1と0の差です。そこが自分の一番の強みじゃないかという気がしてるんです。

(画像提供:黄皓)

 つらいことから目を背けたり、投げ出したりは絶対にしない。あと1週間経ったら状況も変わるかなとか、1か月眠っているうちになんとかなるかな、ってふうに思っているんです。

 それこそ取り返しのつかないミスや失敗をして日本中からバッシングされるようになったとしても、いちど中国に行ってしばらくしてから戻ってくるかなとか、家でしばらく寝ていれば風向きも変わるだろうって考え方をするんじゃないかな。

 何かあったとき、ダメージを受けないわけではなくて、しっかり喰らうんだけど、絶対に立ち直れる。ここまで生きてきて、そのことは証明できていると思っています。
 

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

異なる勇気

異なる勇気

黄皓

KADOKAWA

2022年10月20日 発売

「能力もないし、責任感もない。何もできてない」大学のゼミで“名ばかり幹事長”と批判された男が「4代目バチェラー」になれた理由

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