“会社を選ぶ基準は「給料」、「モテるかどうか」、「勤務地」の3つ。”――そんな考えのもとで、最初に働く場所を「三菱商事」に決めた4代目バチェラーの黄皓(コウコウ)さん。
将来やりたいこともなかった彼が、三菱商事を選んだ意外な理由とは? 初の著書『異なる勇気』より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
◆◆◆
自分で“選択肢”を増やす
僕って超フツーの人間なんだと思います。
インスタグラムやツイッターに多くのフォロワーがついてくれている理由にしても、共感じゃないのかな、という気がしています。
僕のことを成功者のように見てくれるひともいますが、そんなことはありません。
いまの自分は、選択を先延ばしにして、時間をかけて選択肢を増やしたことで、結果として、ようやくチャンスを摑めた段階です。
選択の先延ばしってなに? と疑問に思われるかもしれないですが、人生では往々にして、大きな選択をする場面ってありますよね。進学、就職、転職、結婚など。こういうときは、二択のときもあれば、たくさんの選択肢があったりもします。
もちろん、その時々でどれかは選択するのですが、後に引けないというほどの大きた選択は、30歳で会社を辞めるまでありませんでした。
僕の場合、「進学」と「就職」では、まだ選択を決断するには要素が足りなかったので“とりあえずこっちに行ったほうがいいんじゃないか〞というように道を選んできていたというのが実際のところです。
人生は長い。大きな決断は、判断する選択肢が全部揃ったときでいいと考えています。
だから、「できるだけいい学校に入ろう」、「いい会社に入っておきたい」という“ちっちゃな逃げ”を続けました。おかげでちょっとずつ力をつけられました。