問わず語りに侍ジャパン入りを志願した。
プロ野球楽天の田中将大投手(33)は10月18日に自身のツイッターで、来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、こうつぶやいた。
「WBCについて自分の気持ちをお話する機会がなかったので、ここで言わせていただきます。良い選手が沢山居ますし、なかなか簡単なことではないのは重々承知の上ですが、出場したいです! この気持ちを持ってオフシーズンのトレーニングにも取り組んでいきます」
なぜ自ら意思表明してまでWBCに出たいのか分からない
昨年の東京五輪では北京五輪のほかMLB、WBCでの豊富な国際経験も買われて日本代表入りし、金メダルに貢献した。一方で山本由伸(オリックス)や佐々木朗希(ロッテ)ら若手投手が台頭し、大谷翔平(エンゼルス)も代表入りに前向きなことから、来春のWBCではもはや田中はお役御免かと思われていた。
それだけに、とある代表スタッフは異例のSNSでの意思表示に困惑を隠せない。
「WBCではダルビッシュ(有=パドレス)が、東京五輪で田中が果たした役割を果たすことを期待されている。経験以外にも今季(自己最多タイの)16勝し、プレーオフでも2勝した現状の実力から、特に現在ホームとする米国ラウンドでは是が非でも欲しい戦力。田中は不可欠ではないのだが、あのぐらいの大物選手が出たいとなると検討せざるを得ない。候補者が増えるのはありがたいが……」
田中はヤンキースから日本球界復帰2年目の今季、9勝12敗。日米通じて自己ワーストタイの黒星を喫した。昨季も4勝9敗と黒星が先行した。MLB挑戦前の楽天では、その勝負強さで野村克也監督から「神の子」と呼ばれ、2013年には24勝0敗と神懸かり的なシーズン成績を残した頃の姿は影を潜めている。今回のWBCについては、記者に出場の意思を問われることもなかった。