田中は2学年上のダルビッシュと08年の北京五輪、09年のWBCをともに戦った。ダルビッシュはMLBに挑戦した先輩でもあり、多大な影響を受ける「兄貴分」と言える存在だ。
「マー君はダルの代表入りに備えているのではないか。ダルはメジャー生活が長く、代表候補の若手投手とほとんど接点がないが、マー君がパイプ役になれば、すんなりとチームになじめる。また、期待される精神的な支柱の役割も2人で分担できる。
イチローでさえプレッシャーに苦しんだWBCでダルが代表に入るのは、マー君とセットであることが条件で、水面下で話がついているのかもしれない。代表を発表した時に初めて田中の名前があれば、やや唐突感があるため、事前に意思を示しておくことで地ならしをしたのかもしれない」
日本代表の発表は年内に見込まれる
田中とWBC出場の有無は、その年の公式戦の成績に相関関係がある。いずれも楽天時代に出場した09年は当時キャリアハイの15勝(6敗)を記録、13年は大車輪の活躍で球団史上初の日本一に導いた。
一方で出場辞退したヤンキース時代の17年はワーストの12敗(13勝)を喫した。日米通算200勝にあと10勝で開幕を迎える来季へ、前出の元日本代表コーチはこう指摘する。
「マー君は(11月1日で)まだ34歳。ダルのようにベテランになっても進化するため、相性がいいWBC出場をきっかけにしたい思いもあるのではないか」
日本代表の発表は年内にも見込まれる。
「マー君のそういう思いっていうのは本当に感謝しかない。しっかり受け止めている。候補の一人であるのは間違いない」との言葉が韓国球界視察後に報じられたばかりの栗山監督の胸中やいかに。