その後、一時期は別の芸能事務所に所属していたが、本格的な活動をほとんど行わないまま退所したという山下。だが2016年、高校2年生の夏に17歳で芸能界への扉が再び開く。4000倍以上の倍率となった乃木坂46の3期生オーディションで見事に合格。晴れて人気アイドルグループの一員となったのだ。
「最終オーディションでは、緊張のあまり受け答えができずに泣いてしまった大園桃子さん(現在は卒業・引退)が特に目立っていましたが、山下さんの完成されたルックスもメディア関係者の間では『かわいすぎる』と話題でした。即戦力としての期待は十分だったと思います」(前出・アイドル誌グラビア担当者)
「辞めます」と口にしていた時期も
実際、山下は加入後順調にステップアップを続け、周囲の期待に応えていく。次世代メンバーとしてクローズアップされ、握手会でも瞬く間に大人気に。2018年の20thシングル「シンクロニシティ」で初選抜され、いきなり最前列フロントを任される抜擢となった。
だが、大ブレイクしたアイドルグループのメンバーの場合、厳しい過密スケジュールもついて回る。2019年にテレビ東京系ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」で主演した際に体調を崩してしまい、ライブなどのグループ活動を一時休止する事態となってしまった。昨年11月放送の日本テレビ系「おしゃれクリップ」で、当時の心境を「皆が頑張っているのに1人だけお休みするという選択が自分自身で許せなかった」と振り返り、引退を考えたことを明かしている。
「山下さんは当時、本気で卒業を申し出ていたそうです。身近なマネージャーとの会話で頻繁に『卒業』という言葉を出したり、『辞めます』と口にしていた時期もあった。どうしてもグループの仕事と個人の仕事が満足のいく形で両立できず、悩んでいたのでしょう。気持ちの波が浮き沈みする度に、スタッフから必死に説得されていました」(同)