視聴者は「アンドロイドの旅」にワクワクしている
SAORI 確かに「旅」をテーマにしている人はたくさんいるけど、アンドロイドの旅は私だけだと思うんですよね(笑)。
普通に見ても楽しい旅の動画に、「アンドロイド」ってエンタメ要素が入ることで、これまでにないワクワク感を味わえるかもしれない。視聴者には、そんな期待感を抱いていただけているのかなと思います。
あと、ちょっと話が逸れますけど、すでに活躍している旅行系YouTuberがたくさんいることに救われている部分もあるんです。
――それはなぜでしょうか。
SAORI アンドロイドモデルとしては、躓きながらも先頭を走っている自負がありました。だからこそ、ロールモデルがいないし、同じような活動をしている人もいないからどこを目指せばいいのか、ゴールがどこなのか全く見当がつかなくて……。何が正解かわからず、不安に感じることも多かったんです。
でも、旅行系YouTuberの先輩たちはたくさんいる。先を走って道を切り拓いてくれた人の背中を追えるから、飛び込む時の安心感が全然違ったんですよね。
アンドロイドを演じることで克服したコンプレックス
――先程「あまりトークが得意じゃない」とおっしゃっていましたよね。ひとりで旅をする動画だと、たくさん喋らなければいけないのでは。
SAORI 実は、アンドロイドとして旅をする良さはそこにもあって。旅行系の動画は、その土地の歴史や建物の特徴とかを語ることが多いけど、私はしゃべるのがあまり得意じゃない。でも、アンドロイドの場合はぎこちないほうが“それっぽく”なるんですよね。
――苦手だったことが、アンドロイドを演じることでむしろプラスに働いているんですね。
SAORI 5年前、東京ゲームショウの動画でバズった時の私と今の私に、大きな変化はないんです。売れるために、無表情や口下手というコンプレックスを克服するための努力もしてみたけど、苦手なことは結局、今でも苦手。それでもたくさん行動し続けたから、やっと自分のハマる場所を見つけられたのかなと思っています。