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泣き出す母親も…「PTA」役員選びの“免除の儀式” エントリー制にして起きたコト【愛知発】

source : 提携メディア

genre : ライフ, 教育, 社会

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広報誌や専用のウェブサイトの作成など専門的スキルが必要なものから、学校行事の受付の手伝いなど、とにかく人手がほしいときの人材派遣まで、幅広い「外注」を想定しているが、反響は想像以上だという。

 

KNT-CTホールディングスの担当者:
その年にITに強い保護者の方がいらっしゃるとか、印刷会社とコネクションある保護者の方がいらっしゃるとかであれば、あまりお困りごとはないかもしれないんですけど、その方々が卒業されたときに引き継ぎが難しかったりとか、持続可能な活動が難しいという声をいただいておりますので、お力になれればと思いました

「旗当番」の負担増「構わない」が6割超…活動ごとの“エントリー制”導入

 

改革に取り組むPTAも出てきている。名古屋市瑞穂区。陽明(ようめい)小学校の保護者が交代で通学を見まもる「旗当番」。

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以前は「子供が小さい」「仕事がある」などの事情は関係なく、全ての家庭が月に1回程度担当。参加できなくなったら代わりの人を探さなければいけないなど、強制性の強いものだった。

 

しかし…。

旗当番をしている父親A:
子供たちが安全安心で学校行けるよう、ちょっとでも協力できたらなっていうのは思っています

父親B:
僕はどっちかというとできれば参加したいなと。会社の都合も出勤が遅いほうなので、そうもいかんところ(家庭)もあるでしょうから、そこは持ちつ持たれつかなと思っていますけどね

 

陽明小PTAでは段階的にやり方を見直し、この2学期からは完全に希望する保護者だけで当番を回すようになっている。欠席時も代役は不要だ。

 

陽明小学校の保護者を対象にしたアンケートの結果では、旗当番が子供たちの安全のため「重要」だと答えたのは、約9割と圧倒的だった。

 

そのために負担が増えても構わないという回答も6割に上った。

 

浮かび上がったのは、「子供たちのため、できることなら当番をやりたい」という思いだ。

 

では「できない事情」があったらどうか。「事情があれば免除の家庭もあっていい」という回答が80.7%。