文春オンライン
《暴対法の規制は継続》「独立は認めない」神戸山口組から離脱した侠友会と宅見組に警察当局は「内紛は一時的なものかもしれない」

《暴対法の規制は継続》「独立は認めない」神戸山口組から離脱した侠友会と宅見組に警察当局は「内紛は一時的なものかもしれない」

#2

2022/11/12

genre : ニュース, 社会

note

池田組、山健組ともに独立した組織として認定されていたが…

 6代目山口組と神戸山口組の双方は2020年1月に特定抗争指定暴力団に指定されている。特定抗争指定暴力団とは、指定暴力団のうち敵対する組織と対立抗争の状態にあって一般市民の生命などに重大な危害を加える恐れがある場合に、都道府県公安委員会によって指定される。2012年10月の暴対法改正で新設された。

6代目山口組弘道会本部で「特定抗争指定暴力団」に指定されたことを示す標章を貼る愛知県警の捜査員

 特定抗争指定暴力団となると、公安委員会が定めた「警戒区域」内で、(1)事務所の新設や立ち入り(2)対立する暴力団組員へのつきまとい(3)対立する暴力団事務所や、その組員の住宅周辺をうろつく(4)同じ暴力団組員がおおむね5人以上で集まるなどの行為が判明すると、中止命令を経ずに即逮捕される。活動への規制はさらに強まることになり、多くの構成員らは神経をとがらせている。

 前述したように、池田組は2020年7月、神戸山口組からの脱退を公表。山健組も続いて独立組織として活動を宣言した。この動きに対して当時の警察当局の幹部は次のように語っていた。

ADVERTISEMENT

「池田組や山健組が離脱したと書状を回したりしてアナウンスしていることは承知している。情報収集をしっかりして判断する。偽装かもしれないし現状では池田組と山健組についてはいまだに神戸山口組を離れているとは考えていない。暴対法上の指定暴力団としての規制の効果は継続している」

 だが、警察による情報収集や動向の把握の結果、もはや池田組、山健組ともに神戸山口組の傘下組織ではなく、完全に独立した組織として活動していることが確認されたのである。

 慎重な情勢の見極めの結果、岡山県公安委員会は2021年9月、池田組を独立組織として認定。11月には池田組を指定暴力団としての要件を満たしているとして指定するに至っている。

 山健組についても、兵庫県警が独立組織として認めざるを得ない状態となっていた。ただ、2021年9月に突如として6代目山口組に復帰したことが確認されている。警察当局の捜査幹部は当時の状況について、こう感想を述べた。

6代目山口組の司忍組長

「山健組についても池田組同様に指定暴力団として指定する作業を進めていたが、6代目側に復帰したため、指定作業はそこで不要となった。山健組の神戸(山口組)からの脱退も驚いたが、敵対する6代目(山口組)への復帰はさらに驚かされた」(文中敬称略。一部の肩書は当時)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

《暴対法の規制は継続》「独立は認めない」神戸山口組から離脱した侠友会と宅見組に警察当局は「内紛は一時的なものかもしれない」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事