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「同意なく性行為に及んだことは間違いない」

 A子さんは性被害を確信したものの、石川容疑者の逆上を恐れて指摘はしなかったという。石川容疑者も、何食わぬ顔でA子さんを最寄り駅まで見送った。A子さんはその日のうちに友人に相談して警察に通報、翌日の早朝に巣鴨署に正式に被害を訴えた。

 石川容疑者は犯行に使った睡眠導入剤について「通院していた時に処方された睡眠薬です」と説明。捜査では「ミルクティーに睡眠薬を入れて眠らせて、同意なく性行為に及んだことは間違いない。飲ませれば、緊張がほぐれてリラックスできると思った」と容疑を認めている。

巣鴨警察署 ©文藝春秋

 石川容疑者が住む西巣鴨の近隣住民は、「ちょっと怖かった」と印象を語る。

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「(自宅に近い)コインランドリーへ20時くらいに行くとよく見かけました。イヤホンをしたまま漫画を読んでいたり、スマホでゲームをしていた気がします。画面に向かって『くそ!』『ちっ』と独り言が多く、ちょっと怖い印象でした。今年の夏くらいに一度誰かと電話で話していることがあったのですが、その時はいつもと違う猫なで声で『そういう時はこうするといいよ』と何かアドバイスをしているようでした。相手は女性だろうなと思った記憶があります」

石川容疑者が通っていたコインランドリー ©文藝春秋

「どうせばれないだろうと思った」

 準強制性交での逮捕から1カ月後の再逮捕は、給付金詐欺の疑いだった。“ホットミルクティー性的暴行事件”と同時期の4月中旬~6月中旬にかけて、無職を装って自宅のある豊島区に対して新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金18万円をだまし取った疑いがかけられている。

 石川容疑者は渋谷区役所で支援金給付の業務を担当しており、その知識を悪用しての犯罪だった。

「石川容疑者が渋谷区の職員になったのは2021年4月で、今年で2年目。ずっと福祉部の生活福祉課に所属していて、昨年度は給付金義務の担当だったので給付金申請に関する知識はあったと見られています。同時期に別の臨時給付金も申請をしていましたが、豊島区による審査の過程で虚偽であることが発覚。7月に豊島区が目白署に相談し、水面下で調査が続いていました」(前出・社会部記者)

 石川容疑者は逮捕後の捜査でこちらの容疑も認め、「どうせばれないだろうと思った」「歯の矯正代や歯のクリーニング代、ジムの月額費などに使った」と供述しているという。