“ダサい”ホームページを変えない理由
西本 昔のお客さんから「西本さん、覚えてる?」っていきなりLINE来たりするんですけど、アイコンだけじゃ誰だかわからなくて焦ったりとか(笑)。でも、そういう風にうっすらつながってるのが楽しいと思いますね。
――ユーザーはどれくらいいらっしゃるんでしょうか。
西本 僕をレンタルした利用客だけで1000人以上ですね。今日も25件ぐらいはレンタル依頼が入っていると思う。年間にするとすごい人数ですね。
――ここまで継続できた要因をどうお考えですか。
西本 何も変えていないのがよかったのかな。値段もシステムも据え置き、やることといえばホームページの壁紙をたまに変えるだけ。
あのホームページ、ダサいでしょう(笑)。でもわざとダサくしてるんですよ。在籍する「おっさん」に「みんなスーツでスタジオで撮った写真に揃えたらもっとかっこいいですやん」とか言われたけど、それは違う。
ユーザーが求めているのは日常なので、「おっさん」側が変にキメめてたりすると会うハードルが高くなってしまう。だからプロフィール写真も、自信がないものを持ってくる「おっさん」が多いんです。
――今、在籍している「おっさん」は70人とのことですが、西本さんの考えに共感して集まったというのも10年間続いている要因の一つでしょうか。
西本 そうだと思います。メンバーにありがとうと言いたいですよ。自分以外の「おっさん」を増やすのには勇気が要りました。全てを満遍なく管理することはできないし、暴走するかもしれない。でも類が友を呼んだのか、こちらの理念に合う人が集まってくれて。
取材された記事や私の本を読んで共感してくれた「おっさん」が集まるからなのかなと思います。在籍する「おっさん」からの他薦が増えているのも、「おっさん」自身が満足しているからですよね。
結局、お客さんも「おっさん」も満足してるってことなんです。人生が変わるくらい満足してる人もいて。だから、継続できたんだろうと思います。
写真=杉山秀樹/文藝春秋
「おっさんレンタル」https://ossanrental.thebase.in/
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