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どんどん人が死ぬ『鎌倉殿の13人』…実朝もそろそろ? 実朝役・柿澤勇人(35)が語る、“哀しい状況”になってしまった理由とは

2022/11/20
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物語も終盤、3代目鎌倉殿・実朝もそろそろ…

 最近の研究では実朝は有能であったという説が説かれていて、柿澤・実朝は最新説に基づいた人物造形になっているようだ。それは実朝を研究している坂井孝一が『鎌倉殿~』の歴史考証を担当しているから当然であろう。

『鎌倉殿~』の最近の放送では京の朝廷から距離をとり鎌倉幕府の自治独立を計る執権・北条義時(小栗旬)に対して朝廷に頼ろうとする実朝。それによって北条家との関係性が悪くなっていく。

 11月6日に放送された第42回の冒頭では、後鳥羽上皇(尾上松也)が実朝の夢枕に立ってふたりの夢コントのようなものが繰り広げられた。

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尾上松也が演じる後鳥羽上皇 『鎌倉殿の13人』NHK公式サイトより

 上皇役の尾上松也と柿澤は、かつてふたり芝居『スリル・ミー』(14年)、映画『すくってごらん』(21年)と共演経験がいくつかあるためか、息が合っているところを見せた。

 後鳥羽は実朝の名付け親でもあり、義時に不信感を募らせば募らすほど実朝は後鳥羽を頼るようになっていく。

「後鳥羽上皇が名付け親であることはすごいことですよね。実朝にとって、父の頼朝は偉大すぎて、父のようにふるまいたいがふるまえないことがコンプレックスでもあった。兄で2代目・鎌倉殿である頼家(金子大地)に対してもそうで。頼朝とも頼家ともしっかり関われないまま育ってきたなかで、名付け親の後鳥羽上皇を手本のように思って影響されていたと思います。自分に力のない分、京都との関係を深くして、後鳥羽上皇の力をお借りすれば、状況がよくなると思っていたのではないでしょうか」(TVブロスWEBのインタビューより)。

 良かれと思ってしたことが人間関係をかき乱し、悪化させてしまう、哀しい状況のなかで、実朝はどうなるのか。

『鎌倉殿』はどんどん人が死んでいく物語だが、登場人物が死ぬたび、演者が話題になる。木曽義高役の市川染五郎、源頼家役の金子大地、畠山重忠役の中川大志、和田義盛役の横田栄司、阿野全成役の新納慎也、源範頼役の迫田孝也、善児役の梶原善……とその最期は語り草となってきた。

『鎌倉殿の13人』NHK公式サイトより

 物語も終盤、3代目鎌倉殿・実朝もそろそろ……。柿澤・実朝は『鎌倉殿~』に爪痕を残せるだろうか。そして『東京ラブストーリー』ではどんなカンチを演じるのだろうか。思い悩む実朝の表情を見ながら、カンチがリカとさとみに翻弄されて困る顔を想像している。

 

※1 舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』には、柿澤勇人だけでなく比企能員役の佐藤二朗、和田義盛役の横田栄司、範頼役の迫田孝也と『鎌倉殿~』出演俳優大集合だった。

どんどん人が死ぬ『鎌倉殿の13人』…実朝もそろそろ? 実朝役・柿澤勇人(35)が語る、“哀しい状況”になってしまった理由とは

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