明暗を分けるポイントその1「職種」
特に外資系ITの営業職の場合、数字にはシビアだ。自分がどれだけの売上を作ってきたかで、年収は入社1年目でもウナギ登り。インセンティブで億単位の報酬を稼ぐことだって夢じゃない。
ただし結果が伴わなければ、即座にクビのリスクもある。当人も「売上が悪ければ、クビを切られる」前提で働いているため、たとえレイオフされたとしても、慌てることはない。
もし日本法人で働く社員であれば、レイオフを通知されたとしても、社員としての身分は一定期間、保証されることが多い。あくまで会社のメールアカウントや、社内インフラにアクセスできない程度の支障で、その間に転職活動をすればいいだけの話である。
また場合によっては、レイオフされたほうが「お得なケース」だってありえる。冒頭で触れた「パッケージ」の存在があるからだ。
通常の退職金に加え、パッケージが加算されることで、より多くの金額を手にすることができる。パッケージの中身は、企業やレイオフの規模によって異なるが、たとえば「3ヶ月から半年分の基本給」や「有給の買取り」「譲渡制限株式ユニット(一定期間後、自社株の貰う権利)の前倒し」など、それなりに充実した内容であることが多い。
そんな浮き沈みの激しい業界でキャリアを積んでいるせいか、外資系IT企業の社員、中でも営業職にいる人は打たれ強い。「レイオフは転職のきっかけにすぎない」と考えられるくらいのメンタルでないと、そもそもやっていけないだろう。
今回レイオフされるTwitter社員たちも、おそらくすぐ再就職先が見つかるだろうし、むしろ今後はレイオフをネタにする人も出てくるんじゃないだろうか。
一方で、バックオフィス系の人たちはどうか。彼ら彼女らは営業職の人間よりも、人材の流動性が低い。それはつまり、転職市場に空席のポジションが少ないことを意味する。一度放り出されてしまうと、なかなか同じような条件での再就職は難しいだろう。