社員7500人のうち半数を解雇――10月にSNSプラットフォーム「Twitter社」を買収したイーロン・マスク氏の“無双”が止まらない。広報部門の社員すべてが解雇されるなど、その矛先は日本法人にも向けられた。
いきなり解雇された社員たちはどうなってしまうのか? Twitter社員の「再就職問題」について、自身も外資系企業を渡り歩いたマーケターのリチャード・サトウ氏に教えてもらった。
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「外資系IT企業社員はつらいよ」
「あなたの勤務先はレイオフしないんですか? 前に会ったときは、『業績も微妙だし、仕事もつまらなくなってきたから、いっそのことレイオフにでも応じて、多めにパッケージ(会社の退職勧告に応じることを条件とする特別退職金などの優遇措置)でももらったほうが得じゃない?』とかなんとか言ってたじゃないですか」
元同僚から久しぶりに連絡があったと思ったら、いきなり失礼なことを言われた。彼も、いわゆる“外資系IT企業”の社員。ご存知のように今、業界全体の羽振りが悪い。
実際、あちこちの外資ITでレイオフや採用停止が目立ち始めた。直近ではMeta(旧Facebook)が社員全体の13%に相当する約11000人のレイオフを、Amazonは数ヶ月間の新規採用停止を発表した。
Twitterにいたっては、10月のイーロン・マスクの買収以降、怒涛の勢いで社員が解雇されている。その数は、なんと社員7500人の半数。中にはマスク氏のツイートに反論したことで解雇を言い渡されたエンジニアもいるという。
Twitterの日本法人でも、広報部門の社員すべてが解雇されるなど、相当数の社員が整理対象になっているのは間違いない。
日本では労働に関する法制度が、諸外国のものと比較して、解雇に関しては厳しくある。たとえ外資系企業であっても、日本法人だけは海外のように急な解雇を行えないと言われるが、あくまでそれは建前に過ぎない。
実際には、今回のTwitterほど大規模なものでないにしても、比較的多くのレイオフが行われているのだ。