子供の日常には“大ピンチ”が溢れている。牛乳をこぼす、透明なテープの端が見つからない、しょうゆをかけ過ぎた、ゲーム機の充電を忘れた、鞄の奥から昔のおにぎりが出てきた……。そんな身近な“大ピンチ”を集めた絵本が好評だ。
「“大ピンチ”の例にリアリティがあるのは、実際に著者が3人のお子さんを育てる中で取っていたメモが元になっているからです。もともと私が図鑑を作っていたこともあり、編集時にはその経験を活かしました。それぞれのピンチに対して『レベル』と『なりやすさ』という指標を入れて、レベルの小さい方から順に並べる。似たピンチや対処法など、関連した情報を充実させる。他にも図鑑らしく見える工夫をしています」(担当編集者の村松茂さん)
読者アンケートには、引っ込み思案で失敗を恐れていた子供が、ピンチを笑いに変えて、積極的に行動するようになったとの声も。
洗濯機の後ろに靴下が落ちた、トイレの紙がないなど、大人でも遭遇する“大ピンチ”も満載で、思わず笑ってしまう。そこからさらなるコミュニケーションにも繋がっている。
「親子で互いの失敗経験を語り合うきっかけにもなっているようです。本書が情報番組で取り上げられた際には、出演者が自身の経験談を披露し、盛り上がりました。みなさん自分のピンチを話すのが好きなんですね」(村松さん)