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ジェンダーを超えた新生・氷川きよし「kii(キー)」

 振り返ると3年前の11月。新曲の発表会で、「本来の自分に戻りました。新生・氷川きよし、kii(キー)です」と、呼び名を変えつつあることを喋ったのが最初だった。翌年のデビュー20周年を控えたデイリー新潮でのインタビューでは、「世間が求める『氷川きよし』の姿とは違う。あくまで『演歌の王道』を歩んで欲しい、男らしく生きて欲しいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」と答えていた。

「Kiinaはkiiとnaturalを足したもので、よりナチュラルに生きられるようにつけた名前だと本人がインスタで言っていました。ファンは、きーちゃんと呼ぶひとが多いかな」(同前)

自分らしい姿を発信する氷川(本人のInstagramより)
始球式では美脚に注目が集まった ©️時事通信社

 いまやジェンダーを超えた美しいKiinaを発信するインスタとして、演歌ファンのみならず45万人ものフォロワーが氷川のファッションや日常生活の様子を日々楽しみにしている。

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社長が幹部社員に殴りかかり…

 だが、氷川がそんな多忙なラストイヤーを過ごすなか、「週刊文春」(10月13日号)には衝撃的な記事が掲載された。「社長の暴力事件、幹部4人退社の陰で 氷川きよし 事務所独立へ」というものだ。今夏、氷川のファンクラブ事務局が入居するビル2階にある社長室で起きた“事件”。社長が50代前半の幹部社員(当時)に殴りかかり、警視庁捜査員と救急隊員が出動する騒ぎとなったというのだ。

 現在の社長は、福岡から上京した氷川を見出し育てた故・長良じゅん氏の長男でいわゆる2代目。先代は2003年に現社長に代表を引き継ぎ会長職に退いた後、2012年にハワイのゴルフ場で事故に遭い急逝している。

「亡くなった会長には恩義も尊敬も溢れていた氷川ですが、2代目とはそりが合わず直接会話することもお互い避けているような状況でした。双方弁護士をたて、今後の契約解消について話し合おうとしていた矢先に投打事件が起きたのです。結局殴られた幹部社員をはじめ、主に氷川周りのスタッフ計10名ほどが退社をすることとなりました」(芸能デスク)

デビュー直後の氷川きよし

 先代の社長(会長)は、氷川を守ることに長けていることで知られていた。

「芸能マスコミから氷川についての問い合わせなどがあると、会長の個人名で立派な果物などが突然送られてくる。ほかの芸能プロではありえない“贈り物”で、氷川の私生活やスキャンダルを探そうとするマスコミはある意味けん制される部分もありました。それもこれも、その才能を見出し育てることに尽力した先代の優れた手腕だった」(同前)