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「東京のお店でご飯を食べていて、『静岡のワサビです』って出していただくと、やっぱりすごく美味しいんですよね。静岡の実家では、お刺身を食べるときにはいつもみんなワサビをつけていました。ワサビ農家の方がおっしゃっていましたが、ワサビは油をさっぱりさせてくれるので、お肉にもとっても合うんです。グランピングでは、お肉だけでなく色々な食材に付け合わせてみたので、ぜひ見ていただけたら」

 

 静岡への旅は、想像以上に「センチメンタルジャーニー」になったという。

「中学卒業後、宝塚音楽学校に入学してから、地元に帰る機会もあまりなくて、記憶も薄れかけていたんです。今回、子どもの頃に通っていたバレエ教室を訪れて、バーレッスンをさせてもらったら、懐かしいピアノの音楽とともにいろいろな記憶が走馬灯のように一気に蘇ってきて……。バーレッスンはバレエの基礎中の基礎で、レッスン前には欠かせないもの。決まった動きなのですが、音楽を聴いて、まず心が動いて、そして体が動いて、指先や爪先に表情が生まれていく。すべての原点がそこにあるんです。宝塚時代もバーレッスンは、いろいろなものから解き放たれて、没頭できる瞬間でした。バレエをずっとやってきた場所で、そのすべての原点を思い出して、涙が出そうになりました」

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番組では思わぬアクシデントで慌てる姿も

『明日海りおのアトリエ』Season2の開幕日は、宝塚退団から丸3年となる11月24日。退団公演の制作発表の記者会見で、宝塚歌劇団の小川友次理事長が「宝塚の神様がいるとすれば、その神様が彼女を100周年からの宝塚に与えてくれた」と語ったほど、数々の名舞台を残してきた。

 中でも『ポーの一族』では永遠の時を生きる孤独な吸血鬼を見事に演じ、原作者の萩尾望都さんに「美しすぎて、存在していることが信じられない」と言わしめた。舞台上ではこの世ならぬものに憑依するが、いったん幕が下りると、別人のように、ちょっと天然でほっこりした挨拶で観客を和ませる。番組では、時に思わぬアクシデントで慌てる姿も見られる。