「今回も失敗シーンやハプニングはたくさんあると思います。カットされてなかったら(笑)」
役に没頭しているときは鰹節を削るような毎日
舞台上の姿と、穏やかで謙虚な素顔とのギャップも魅力だが、舞台への情熱やストイックさは、宝塚の同期で退団後に『ガイズ&ドールズ』でも共演する望海風斗さん(元雪組トップスター)に「命を削ってやっている」と評されるほど。
「私は自分の人生はあまりどうでもよくて、舞台の上で限られた時間で生きること、自分のまばたきや呼吸、髪の毛一本ですらも役のために使えることが、無上の喜びなんです。自分とはまったく共通点のない役でも、自分の心をそこに移植して、本当にその人だと思って生きることが楽しくて仕方がないんです。指の動かし方ひとつ、小道具から出る音、動作のタイミング、すべてに意味が与えられ、相手のセリフをどう自分が受けるかによって、化学反応が連続するように日々色合いが変わっていく。役に没頭しているときは鰹節を削るような毎日で、削ってばかりだと、どんどん痩せていっちゃう。こうして、新しい風景に巡り合い、出会った人たちと会話を交わせたことが、自分の中の鰹節を蓄えるのに一役買ってくれたなと思います。この旅で出会えた人たちに感謝してます」
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あすみりお/1985年静岡県生まれ。宝塚歌劇団花組のトップスターを務め、2019年に退団後は、『おちょやん』『コントが始まる』『DCU』などのドラマや『ガイズ&ドールズ』などのミュージカルでも活躍。来年にはミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン』のW主演が控えている。