スタッフの手を煩わせず…森保監督のいい人エピソード
そんな“泣き虫”森保監督は、とてもいい人である。いい人エピソードには事欠かない。いい人であり、とても普通の人だ。
例えば、だ。日本サッカー協会はドイツ・デュッセルドルフにオフィスを作った。森保監督はかなり長い時間そこを拠点に欧州各地で選手の視察を行っている。遠方の視察であれば飛行機で行き来することになる。その際、森保監督はデュッセルドルフ空港から、普通に一人でバスに乗りオフィスに戻ってくるのだそうだ。サッカーの世界で代表監督ともなれば、それなりの地位である。おつきの専用車があっても、迎えのハイヤーがあっても誰も文句は言わないはずだ。だが、森保監督は一人で空港からバスでオフィスに戻る。スタッフの手を煩わすこともないのだ。大人としては当たり前の普通のことが普通にできる。周囲からしてみればありがたい人物である。
「カメラの荷物が大変そうだから」
またある時は、欧州のスタジアムでは入場の際の手荷物検査が大変で時間がかかるから、と荷物を駅のロッカーに詰めてから視察に向かったこともある。たまたまその場にいあわせたカメラマンが驚いていると「カメラの荷物が大変そうだから」とタクシーに同乗させてくれて、一緒にスタジアムまで向かったのだそうだ。ものすごく懇意なカメラマン、というわけではないのにだ。
自分だったらもし関係者と駅かどこかで会って、同じ行き先を目指すことがわかっていても、相手がさほど親しくない人物だった場合一緒のタクシーに乗るだろうか。乗らない気がする。そう考えると、森保監督がいかにいい人かが伝わってくる気がする。
泣き虫で、特殊な仕事をしているのに普通の感覚を持ち合わせ、とてもいい人。全前回大会王者ドイツを撃破した森保一監督とはそんな人物なのである。