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荷物の多いカメラマンに声をかけ…森保一監督の素顔は「“泣き虫”で、とてもいい人」

2022/11/25
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海外メディアでも取り上げられた“森保監督の涙”

 この時は多くの海外メディアから注目を浴びた。試合前に監督が涙を見せることは本当に珍しいということの証だ。今から1年以上前に森保監督の涙は世界に知れ渡ったのだ。

 当時の東スポWEB(2021年10月13日)によれば、ブラジルの「グローボ」は涙を浮かべた森保監督の写真を大きく掲載し「国中からの重圧を背負った森保監督が国歌演奏中に泣く」と、涙はプレッシャーゆえだと説明を加えた。英国の「デイリーレコード」もまた森保監督の涙の写真を掲載。この試合では古橋亨梧が活躍したことから「セルティックの英雄・古橋が『弱音を吐くな』と涙する森保を救った」と説明が加わった。

「デイリーレコード」のツイッター(2021年10月13日)

 記事には「国歌を歌う時、涙がこぼれそうになった」という森保自身のコメントも使われていた。また、中国の「新浪体育」でも“涙のエピソード”が大きく報じられた。

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監督自身が語った「涙の理由」

 森保監督自身はこのオーストラリア戦後こう説明している。

「感情的というか、毎回、君が代を歌って試合をできることを喜び、誇りに思っている。ホームで試合ができて、たくさんの日の丸を見られて、たくさんの応援を受けていると思って君が代を歌って、目頭が熱くなった」

 森保監督はこの試合直前、第3戦サウジアラビア戦を終えた時に田嶋幸三会長に「いつでもクビを切ってくれ」と申し出ていた。この4年間で最も苦境に陥ったのがこの頃で、それを払拭する必要があるホームでの大一番だった。感極まるのはわからないではない。

©JMPA

 森保監督の熱さ、涙もろさは伝わってくるし、ネットでは共感が寄せられているようだが、私自身は泣くのはせめて試合後、勝利した後でいいのにと思ってしまう。勝利の後の涙であれば、それほど世界からも注目されなかったはずだ。

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