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コスタリカ戦では攻撃的なスタメンを出さなかったのが敗因

「ジャパンタイムズ」のアメリカ人記者、ダン・オロウィッツ氏は「前半の戦術選択こそが勝利のカギだ」とした上で、こう続ける。

「森保監督の最大の問題は、いじくり回すのが大好きなことだ。いつも前半の先発選手と戦術選択のミスを犯して、ハーフタイムで修正する。ドイツ戦ではそれがうまくいったが、もしスペイン戦で前半に失敗してしまったら、後半に修正する時間はない。ハーフタイムまでにリードを許してしまえば、そこで終わりです。日本の解説者のセルジオ越後氏は、『日本はスペイン戦でドイツ戦と同じようにプレーすべきで、前半は守備に回り、相手を疲れさせてから後半に反撃に出る必要がある』と語っていたが、私はそれは正しくないと思う。なぜなら、コスタリカ戦ではそれが失敗したから。何より、三笘薫選手や伊東純也選手など、攻撃的なスタメンを出さなかったのは大きな失敗だった。後半の攻撃は良かったけれど、本当は前半でやるべきだった。スペイン戦でコスタリカ戦と同じような戦略をとったら、確実に負けます。可能な限り最高の選手が必要だと思います」

森保監督はスポンサーへの挨拶も欠かさない“営業マン”の一面も

 そして理想とする試合として、2018年ロシアW杯の初戦のコロンビア戦を挙げる。

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「あの試合で日本は早い時間に攻撃をスタートし、相手にハンドのファウルをさせてPKで1点をとった。あれで試合の様相が一変しました。同じように、スペインをいかにイライラさせるか、フラストレーションを溜めさせるかが重要です。そうしてミスを誘発させなければいけない」

日本の強みは組織力

 勝利のためのキーマンは、ずばり三笘だという。

「彼から反撃を始めたい。ドイツ戦、コスタリカ戦で彼がピッチに出た瞬間、相手にとっては大きな脅威になった。 2人の選手にカバーされても、創造的なプレーで打開し、相手にとっての混乱を作り出すことができる。あと、冨安健洋の怪我の状況はわかりませんが、彼もスペインの攻撃を止める上で重要な役割を担うでしょう」

ドイツ戦で躍動し、同点ゴールの起点となった三笘薫 ©時事通信社

 スペインの日刊スポーツ紙「マルカ」のセルヒオ・サントス記者は、日本の強みと弱点についてこう分析する。

「私は東京五輪にも取材に行き五輪代表も取材した。その時にも感じたことだが、強みは日本の組織力だ。特に統制された守備の素晴らしさ。中盤から最終ラインまでオーガナイズされているし、どんな国であってもこれを破るのは簡単なことではない。アーセナルの冨安の個人能力は素晴らしいし、酒井宏樹も攻守に高いレベルでのプレーを見せてくれる。攻撃面でも鎌田や久保建英など、個の力で局面を打開できる選手がでてきた。逆に弱点は、攻めてくる強国に対しては素晴らしいパフォーマンスをみせるものの、引いてくる格下の相手に思わぬ苦戦をする点。これはアジア予選でも経験したことだろうし、実際にコスタリカ戦でも明らかになった。引いた相手を崩せずに自滅するパターンだ」