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ロシアW杯で批判を浴びた川島が語ったこと

「一つのプレーを取り上げるというのはすごく簡単です。ただ僕たち選手は常に、90分間通して自分たちに何ができて何のためにやってるのか追求しなくてはいけない。もちろんミスというのは、試合の中で起こり得ますけど、連鎖させてはいけないという話は常にしています。それをチームとして徹底しなくてはいけない。その意識はすごい大切だと思います。

 正直、チームの中では、一つのプレーがどうだった、っていう話はないです。ドイツ戦に勝ったのもやっぱりチームが結束していたからだと思うし、こういう厳しい結果を受けて、またここで自分たちがどれだけ、結束して次に向かっていけるかっていうとこだと思いますけどね」

©JMPA

「仲間が苦境に立たされている時にいかに助け合えるか」

 吉田はロシアW杯当時、セネガル戦での失点から力強く立ち上がる川島の姿から感じるものが大きかったのだろう。当時の自身のインスタグラムにこう記している。

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「ミスを犯した者をこれでもかと叩きのめす悪しき風潮が蔓延しているこの国で、僕らが子どもたちに本当に見てほしいのはチームスポーツであるフットボールで仲間が苦境に立たされている時にいかに助け合えるか、そして1人の選手が批判や重圧から逃げずに立ち向かう姿勢です。そこに何故、日本人で唯一欧州でGKとしてプレー出来ているかが隠されていると思う」

 今まさに、4年前の川島と同じ状態にさらされているのは吉田だ。この2試合でピッチに立った選手の中で2番目に年長でしかも主将。それでも、このミスを背負いこむのではなく、チームとともに整理して悪い連鎖を断ち切り、また前を向き、立ち上がらなくてはいけない。

 グループリーグ突破の可能性はまだ残されている。日本を突破に導くのは、立ち上がった吉田に他ならないはずだ。