「初戦のドイツ戦に勝利」というこの上ないアドバンテージを、第2戦コスタリカ戦で自ら手放してしまった日本。この負けを引きずらず、切り替えてスペイン戦に向かう「メンタルコントロール」の重要性はかなり高い。
振り返ればコスタリカ戦では、相手にも自分たちにも大きなチャンスはないまま試合終盤を迎えていた。引き分けでも悪い結果ではない、そんなことが頭をよぎるなかでの81分の失点だった。相手が攻勢に出始め、流れが悪くなり出した時間帯のものではあったが、決定打となったのは主将である吉田麻也のパスミスだった。
結果的にこの失点が決勝点となり日本は敗れた。吉田はどう立ち直ろうとしているのだろうか。
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コスタリカ戦直後に失点シーンを確認していた吉田
ミスをした吉田は、コスタリカ戦後のミックスゾーン(取材エリア)に出てきた時点でプレーそのものの整理を始めていただけでなく、メンタルの立て直しにもすでに着手していた。
まず試合直後、吉田はすぐに失点シーンの映像を確認していた。多くの場合、選手にミックスゾーンで決定的なシーンについての振り返りを求めても「まだ映像を見ていないので」と言うが、この時の吉田は違った。
――前方の守田英正につなごうとした?
「そうです。映像見ました。(前にボールをつなげる)スペースもあったけど高すぎた(パスが浮いてしまった)」
このやりとりでもわかるように、すでに具体的な話をできる状態だった。ミックスゾーンでの取材は、試合に直接関係のあることもないことも五月雨式に質問が飛ぶものだ。多くの質問を受け、答える中で選手の思考が整理されて行く様子が見て取れることは少なくない。吉田はその準備をすでにロッカールームで終えていたということだ。
質問はプレーだけでなく、メンタル面にも及ぶ。