コスタリカはもちろん、W杯に出てくるようなチームに対してゴールを奪うには、個の力が突出しているか、周囲の選手との連携で打開していくしかない。日本代表で、個の力で相手の守備をはがせるのは三笘薫くらい。基本的にはコンビネーションで打開していくのがベースだ。
だが、ドイツ戦は、ペナルティエリア内で、相手の屈強なDFにパワーで阻まれた。コスタリカ戦は、攻撃陣がドイツ戦から鎌田以外全員(3名)が入れ替わることになり、全体でも5名がフレッシュになったことから、連携が十分に機能しなかった。
今回のW杯は、いつものレギュレーションとは異なり、欧州などのシーズン中に開催されている。そのため、チームに合流して調整する期間が極端に短かった。その影響もあって、レギュラークラスの選手以外は、連携面を磨くことが難しい状態だったのだ。
そのマイナス面がコスタリカ戦で露呈した。
セットプレーのキッカーとしても期待されている
鎌田の能力の高さは、森保一監督の信頼から分かるように、チームでは随一だ。
攻撃の指揮を執るのはもちろん、セットプレーのキッカーも任されている。だが、ドイツ戦、コスタリカ戦ともにセットプレーのチャンスを日本は生かし切れていない。
「フリーキックは、残念でした。でも、毎回決められるような選手は世界にいないわけで、そういうチャンスに決められるような選手になるということと、そういうチャンスの回数を増やすということを続けていくしかないと思います」
スペイン戦は、相手に主導権を握られ、押しこまれる展開が予想される。
だからこそセットプレーは、日本代表が少ないチャンスで得点を取るための重要な攻撃手段になる。鎌田がキッカーとして精度の高いキックを見せ、味方選手との呼吸があえば、スペインはドイツほど中央の守備は堅くないので、得点のチャンスは膨らむ。