しかも、山には逃げ場がないので、女性ハイカーは見て見ぬふりをしてすれ違う以外にない。露出癖のある人にとって、山は穴場スポットになっているフシがありますね」
残り汁を山に捨ててしまう…初心者ハイカーの迷惑行為
一泊登山用のテン場(テント場)でもハイカー同士のトラブルが増えているという。登山歴7年になる杉山純一さん(仮名、42歳)は、若者グループのこんな迷惑行為を証言する。
「一泊登山では、午後1~2時にテン場に着き、明るいうちに食事の準備をして午後7~8時に就寝します。夏場の場合、夜が明けないうちに起床して出発する。ところが、最近は山のルーティンを知らない初心者の登山客がめちゃくちゃ多いんです。
とくにヤバいのが若者グループですね。テン場で酒盛りしたり騒いだり、キャンプと同じノリで山にくる。先日も若者グループがほかの登山客から『うるさい!』と怒鳴られていました。午後9時の消灯後もおしゃべりを続けるし、かなり腹立ちます」
もうひとつ大迷惑なのは、こうした若者グループがカップ麺などの残り汁を山に捨てることだという。杉山さんが続ける。
「山には生活排水の処理施設もごみ処理施設もありません。塩分や油分の多い汁物をそのまま捨てたら、土壌を汚染して環境に悪影響を与えることになる。だから、山でカップ麺を食べる場合はスープを飲み切れるような小さな商品を持っていくか、凝固剤でスープを固めて持ち帰るというのがルールでありマナー。
ところが、登山初心者の若者には残り汁を平気で山に捨てる人がものすごく多いんです。こういう登山客が増えていくと、いずれ山が大変なことになりますよ」
もっとも、だからといってベテランハイカーのマナーがいいのかというと、けっしてそんなことはないようだ。コロナ禍以降に登山にハマった大学生の姫野沙瑛子さん(仮名、21歳)が、テン場で出会ったおじさんハイカーの迷惑行為を証言する。
「山はそこまでナンパは多くないんですけど、テン場にはしつこく話しかけてくるおじさんハイカーがよくいます。それも、『俺はあの山に登ったことがある』『俺はあの山にも登った』と、ひたすら『俺は』『俺が』という自慢話のオンパレード。なぜか小さなアルバムまで持ち歩き、私たちに見せてくるんです」