この手の自慢おじさんが困るのは、前述の露出マニアのケースと同様に、どれほど迷惑でも避難する場所がないことだ。
「逃げ場がないので、自慢おじさんに遭遇したら消灯時間まで話につき合わなきゃいけない。しかも、翌日の登山ルートもだいたい同じなので、下手したら翌朝も自慢話が続くんです。おじさんハイカーの自慢話だけは、本当に勘弁してほしい」
大渋滞を引き起こす、超大人数のお年寄りの団体
それに加えて、最近増えている迷惑行為がお年寄りの団体だという。登山歴8年の中川雅一さん(仮名、34歳)が証言する。
「昨年、北アルプスの燕岳で30~40人のお年寄りの団体を目撃しました。ほかの山でも見たことがあります。別におじいちゃんおばあちゃんが山に登ってもいいんですが、30~40人もの団体で山に登るのは、さすがに非常識すぎると思います。
なぜかというと、それだけの数のお年寄りがいると、後ろは必ず大渋滞するからです。実際、燕岳の鎖場(登山者の安全確保のために鎖が取り付けられた場所)でお年寄りの団体に遭遇したときは、お盆期間の高速道路みたいな大渋滞が発生しました」
登山歴13年の長谷川健さん(仮名、48歳)も同意見だ。
「低山ではなくそれなりに標高が高いある山で、どう見ても登山は無理そうな70歳過ぎのおばあちゃんを見たことがあります。案の定、途中で登り続けるのを断念し、通りがかった若者のハイカーが荷物を持ってあげて、そのまま下山しました。
おそらく昔はよく登山していて、また登山が盛り上がっているから登ってみようと考えたんだと思います。でも、登山って、最低でも自重スクワットを連続50回くらいできる体力がないと無理。申し訳ないんですが、自分の体力を考慮していない、無茶な登山は迷惑です」
さらに、近年はトレラン(トレイルランニング)する人と登山客がトラブルになるケースも増えているという。長谷川さんが続ける。
「トレランと普通の登山ではスピードが違うので、狭い一本道でイライラされたり、追い抜くときにトラブルになることがあるんです。特に高尾山〜陣馬山のルートはトレランが多く、よくトラブルになります」
人気が再燃するなかで、いろんな意味でヤバい人が増えている登山シーン。初心者が山に行くときは、登山路での行いからテント場のマナーまで細心の注意を払ったほうが良さそうだ。