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「池田ぁー!」サバイバルナイフを振り回して突撃するも…6代目山口組が次々と池田組幹部をターゲットにする“不都合な理由”《特定抗争指定》

「池田ぁー!」サバイバルナイフを振り回して突撃するも…6代目山口組が次々と池田組幹部をターゲットにする“不都合な理由”《特定抗争指定》

#3

2022/12/02

genre : ニュース, 社会

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 ただ、こうした動きは6代目山口組からすると不都合でしかなく、池田組幹部が襲撃される事件がこれまでも続発してきた。2016年5月には当時の池田組ナンバー2の若頭・高木昇が岡山市内で射殺される事件が発生。2020年5月にも高木の後任として若頭に就任した前谷祐一郎が同市内で銃撃されて重傷を負う事件が起きている。さらに、今年5月には岡山市内の池田組の関連施設に車が突っ込む事件もあった。いずれも逮捕されたのは6代目山口組系組員だった。

6代目山口組の司忍組長(中央)

なぜ池田組がターゲットになっているのか?

 そんな池田組は2020年7月、神戸山口組から脱退することになる。その理由を当時の警察当局の幹部は、「大幹部が銃撃されるような事件が繰り返されても、返し(報復)を許されなかったためのようだ」と解説する。報復を許さなかったのは、神戸山口組組長の井上邦雄だという。

 池田組がターゲットになる事件が続発していることについて、分裂の経緯を注視してきた指定暴力団の古参幹部は「6代目側に対抗する連合体が理由だ」と解説する。

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「神戸山口組からまず絆会(旧・任侠団体山口組)が脱退し、その後、池田組も去った。さらに、神戸山口組にとっては、何より最大派閥の山健組が抜けて6代目に移ったことが大きな痛手だった。こうして組織が小さくなったため、池田は神戸、絆と3者での連合を考えていて、これを実行しようとした。それを阻止するために、6代目(山口組)が池田を排除しなければならないと考えたのは容易に想像できる。井上の意向で連合は思い通りに進んでいないものの、最近の池田は分裂問題のキーマンとなっているのは間違いない」

神戸山口組の井上邦雄組長

 対立抗争は一時期、鎮静化していたが、今年に入り事件が続発している。5月には大阪府豊中市の神戸山口組宅見組組長の入江禎の自宅に車両が突入。6月には神戸市内にある井上の自宅に向けて十数発の銃弾が発砲される事件も起きた。さらに同月、絆会代表・織田絆誠の神戸市内の自宅にも車両が突入した。

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