夜の繁華街を歩いていたら「居酒屋どうですか」「かわいい子いますよ」「ガールズバーどうですか」と客引き(キャッチ)にしつこくつきまとわれた。こんな経験は誰にでもあるはずだ。
悪質な客引きになると、腕をつかんで離さなかったりする。
これから忘年会シーズンが本番を迎えれば、ますます客引きの数も増えていく。そこで“迷惑すぎる客引き”に迷惑した人たちの体験談を紹介しよう。(取材・文=押尾ダン/清談社)
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数百メートルもついてくるホスト
迷惑な客引きといえば、まず居酒屋系だろう。歩行者にまとわりついて通行の邪魔をするうえ、やたらと人数が多いので非常に迷惑だ。数年前には「系列店に案内します」などとウソをつき、ボッタクリ店に連れて行く居酒屋の客引きが大きな問題になった。
しかし、最近では居酒屋の客引きの手口も少し変化しているようだ。二宮百佳さん(仮名、26歳)は「今年の夏、友人とカラオケしようと思って歌舞伎町に遊びに行ったんですが、そのときヤバい居酒屋のキャッチに遭遇しました」と証言する。
「ゴジラロードを歩いていたら、背後から『あなたは人生を楽しんでいますか?』と声をかけられたんです。こんなことを言うのって、普通は宗教の勧誘じゃないですか。でも、後ろを振り返ると、そこに立っていたのは金髪に日焼けした浅黒い肌、ピチピチの黒いパンツという、一見するとスカウト風の若い男。
私たちが唖然としていたら、その男が『いまから私が人生を楽しめる場所へお嬢様方をご案内しましょう』と、背中に手を回してある居酒屋に連れていこうとしたんです。そこで初めて男が宗教の勧誘ではなく居酒屋のキャッチだと気がつきました」
一方、「居酒屋よりもホストクラブのキャッチのほうがもっとウザい」と話すのは立花由梨香さん(仮名、28歳)だ。
「友だち3人とご飯を食べるために、新宿駅から徒歩で新大久保に向かっていたら、歌舞伎町のトー横近くでホストに声をかけられたんです。私たちが『お店を予約しているので』と断っても、そのホストはずっと話しかけながらついてくるんですよ。
しかも、『どういう男がタイプなの? わかった、ジャニーズ系でしょ! うちジャニーズ系多いんですよ』と言うので、てっきりキンプリやSnow Man似のホストがいるのかと思ったら、そのホストが名前を挙げたのが、まさかの赤西仁と山P。
いや、もう2人ともジャニーズじゃないし。結局、そのホストは歌舞伎町と新大久保を隔てる職安通りまで数百メートルも私たちにつきまとい、『これ以上は行けないんだ。赤西仁に会えなくて残念だね』と言いながらやっと去っていきました」