〈はじまりは、憤りでした〉

 林真理子氏はそう口火を切った。

 今年6月に日本大学理事長への就任が内定した時には、「作家の林真理子さんが!?」と驚きの声が多く上がったが、5カ月経ったいま、理事長室の椅子に座るその姿はすっかり目になじむ。

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就任会見で「N・N」を掲げる林真理子理事長 ©時事通信社

まるで堅気でないような雰囲気が衝撃的

 2018年のアメフト部の危険タックル問題を皮切りに、理事(当時)の背任容疑や田中英寿理事長(当時)の脱税容疑による逮捕が相次ぎ、日大が世間から注目を集めたことは記憶に新しい。

〈まるで堅気でないような雰囲気が衝撃的でした〉

 林氏は、当時テレビを通じて目にした元理事長の姿をこう振り返る。

〈事件の温床となったのは誰も意見のできない、呆れるほどマッチョ体質な組織です。私の当時の憤りを紐解くと、時代にそぐわない組織のあり方への驚きとやるせなさがあったのかもしれません。だからこそ、変わるチャンスはあると考えたのです〉