カタールW杯日本代表、スペイン戦翌日の練習はオフ。中3日で試合が続くため選手たちの取材対応も行われず、森保一監督の囲み取材だけが練習場に設置されたメディアセンターで行われた。話すのは森保監督ひとりだが、囲んだ報道陣は30人以上はいただろうか。監督の目の前には多くのレコーダーが並べられた。
「岸田首相の囲みでもここまでの数のレコーダー見ないですよ」と親しい番記者が声をかけると、森保監督は「比較的いつも多いなと思いながら……」と返す、そんな場面から始まった。
話はなんと53分間にも及んだ
お互いに立ったままのこの囲み、話はなんと53分間にも及んだ。前日のスペイン戦はこちらの時間で22時キックオフ、試合終了は24時近く。試合後の取材は未明まで続き、大半の記者が朝、もしくは昼近くまで仕事をしていたはずだ。森保監督の囲みはその数時間後の夕方に始まったため、立ちながらゆらゆら揺れている記者もいた。
森保監督も、いつもの整えられたヘアスタイルが少し乱れ、表情には疲労がにじんでいるようにも見えた。話す声は疲労のせいか、いつにも増して小さかった。
話はクロアチア対策から選手の起用、選手交代など多岐に渡った。
グループリーグではドイツ、スペインというW杯優勝国を倒し、今大会きっての大番狂わせを起こした日本。前半は守り倒し、後半カードを切って相手の意表を突く形で攻勢に出るという戦いでその2強を倒してきた。だが、それは本来目指す戦いではなかったと、森保監督は打ち明ける。