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〈53分間の囲み取材〉スペイン戦直後に森保一監督が小さな声で語った「日本代表の理想と現実」

2022/12/04
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本大会で生まれた「高いレベルの一体感」

 森保監督の話は、選手たちの雰囲気に及んだ。

 結果こそ出たが、内容では強国にかなわないという実感があるからなのか、それとも選手たちのパーソナリティか、チームのマネジメントの成果か、グループリーグ突破後も選手の様子は変わらないという。

「ピッチ外での変化はないかなと思います。今日もチームとしてはオフで、食事の時間も幅を持ってとってもらっていて、全員がきっちり時間に集まってということはないんですけど、雰囲気はすごく落ち着いてますね。勝っても負けても一喜一憂しすぎない。昨日いい戦いをして(ここでえへへと照れ笑い)グループステージ突破してまた新たな挑戦もできるので、雰囲気は明るくなってます。とくに上がりすぎてとかもなく、落ち着いてるなという感じですかね」

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©️JMPA

 メンバーから感じるのは、「高いレベルの一体感」だとも言う。今大会のメンバー選考はチームの和や雰囲気づくりを重視したとも言われているが、それを裏付けるような説明をする。

「W杯に向かう時期は、競争と一体感の両方がありましたけど、本大会に入ってからの一体感はそれまでとは全く違う、さらに上のレベル。誰が試合に出ても、出られないとしてもこのチームの一員として、チームのために仲間のために日本のために戦うんだっていうことを、選手たちはすごく覚悟を持って考えて、チームの一員としていてくれてるなという風には思いますね」

そもそもの目標は“新しい景色”を見ること

 森保監督は穏やかな表情で、終始小さな声で話を続けた。

 強豪ぞろいのグループでの首位突破は出来過ぎともいえるが、突破自体は過去の大会で幾度も果たしてきたこと。このチームのそもそもの目標は“新しい景色”を見ることで、つまりは次戦クロアチアに勝利しベスト8に駒を進めること。

 チームの一体感は高まり、学びもあったグループリーグから、さらに厳しいノックアウトステージの舞台で、森保ジャパンはどのような戦いを見せてくれるだろうか。

スペイン戦勝利に歓喜の選手たち(左から板倉、堂安、冨安) ©️JMPA
〈53分間の囲み取材〉スペイン戦直後に森保一監督が小さな声で語った「日本代表の理想と現実」

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