本大会で生まれた「高いレベルの一体感」
森保監督の話は、選手たちの雰囲気に及んだ。
結果こそ出たが、内容では強国にかなわないという実感があるからなのか、それとも選手たちのパーソナリティか、チームのマネジメントの成果か、グループリーグ突破後も選手の様子は変わらないという。
「ピッチ外での変化はないかなと思います。今日もチームとしてはオフで、食事の時間も幅を持ってとってもらっていて、全員がきっちり時間に集まってということはないんですけど、雰囲気はすごく落ち着いてますね。勝っても負けても一喜一憂しすぎない。昨日いい戦いをして(ここでえへへと照れ笑い)グループステージ突破してまた新たな挑戦もできるので、雰囲気は明るくなってます。とくに上がりすぎてとかもなく、落ち着いてるなという感じですかね」
メンバーから感じるのは、「高いレベルの一体感」だとも言う。今大会のメンバー選考はチームの和や雰囲気づくりを重視したとも言われているが、それを裏付けるような説明をする。
「W杯に向かう時期は、競争と一体感の両方がありましたけど、本大会に入ってからの一体感はそれまでとは全く違う、さらに上のレベル。誰が試合に出ても、出られないとしてもこのチームの一員として、チームのために仲間のために日本のために戦うんだっていうことを、選手たちはすごく覚悟を持って考えて、チームの一員としていてくれてるなという風には思いますね」
そもそもの目標は“新しい景色”を見ること
森保監督は穏やかな表情で、終始小さな声で話を続けた。
強豪ぞろいのグループでの首位突破は出来過ぎともいえるが、突破自体は過去の大会で幾度も果たしてきたこと。このチームのそもそもの目標は“新しい景色”を見ることで、つまりは次戦クロアチアに勝利しベスト8に駒を進めること。
チームの一体感は高まり、学びもあったグループリーグから、さらに厳しいノックアウトステージの舞台で、森保ジャパンはどのような戦いを見せてくれるだろうか。