歴史的な勝利を挙げたドイツ戦から一転、FIFAランク下位のコスタリカ相手に敗戦を喫した日本。
しかし、サッカーの神様は日本代表を見捨てていなかった。初戦でコスタリカ相手に被枠内シュート0で7-0という圧倒的な勝利を飾り、優勝候補と目されていたスペインを打ち破ったのだ。
はたして、その瞬間、渋谷では何が起きていたのか。試合終了直前に現地を訪れた。
◆◆◆
その時、渋谷は…
「あつい! あつい!」
「戦うよ!」
「あと1分だ!」
「あと40秒、あと40秒……」
繁華街から駅前へと向かう道玄坂を歩いていると、誰もが首をもたげてスマートフォンを注視しながら、思い思いの言葉を絞り出している。
彼らの多くは試合終了が近づくにつれ、徐々にスクランブル交差点へと足を運んでいく。沸騰直前の湯が沸き立つように、フツフツと、いま、そのときを待つような空気が街に充満している。そして、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間……。
「マジでブラボー!」
「祝日! 祝日! 祝日! 祝日! 祝日!」
「夜明けと共に日本が勝つ! まさに日出づる国ですよ! 万歳! 日本万歳!」
「今日は休むよ! 会社休む!」
渋谷スクランブル交差点では、喉のキャパシティを超えた、としか言いようのない金切り声を上げた若者たちが日本の勝利に歓喜していた。
対戦前、日本の苦戦が予想されていたことは、多くの人が知るところだろう。それでも日本代表を応援していた人々が渋谷にはいた。はたして、どのような思いで集っていたのだろうか。